業界ナビ:高音の出し方は?きれいに出す7つのコツを詳しく紹介!

身体の構造上、高音を出そうとすると弱々しい音になりやすいです。
高音を響きのある表現豊かなものにするには、高音を出すためのポイントを理解するとともに、実践的な練習を重ねることが大切です。
この記事では、きれいな高音を出すコツや練習方法について詳しく紹介します。
きれいな高音を出せない原因

はじめに、高音がきれいに発声できない原因について解説します。
喉が開いていない
発声は、喉や胸をはじめとした空洞部分で音が共鳴されることで、発せられる声の響きが増すようになっています。
つまり、喉が十分に開いていなければ共鳴が起きる空洞を確保できず、発せられる声の響きが弱くなってしまいます。
喉が開かない原因としては、以下の要素が挙げられます。
- 緊張している
- 正しい姿勢が取れていない
- 喉の周りの筋肉がこわばっている
リラックスできていない
リラックスできていなかったり、緊張状態にあったりすると、喉や体がこわばってしまいます。各器官のこわばりは、音がこもってしまったり、声が裏返ってしまったりする原因となり、結果的にきれいな高音の発声の妨げになります。
裏声を使えていない
誰でも高音を出せる方法として裏声が挙げられます。
しかし、裏声を上手く使えていないために、高音は出せているものの声量そのものが小さい、響きが弱いといった声の美しさにつながらない状態となってしまうケースが多いです。
声帯を引き絞ることで高音が出せるようになる裏声ですが、きれいな高音を出すには適切な方法を習得する必要があります。
裏声が上手く使えていない原因には、以下の要素が挙げられます。
- 喉が力んでしまっている
- 裏声としての発声方法が正しくない
- 喉だけで発声しようとしている
自分のキーに合っていない
高音を出す機会は、アフレコのような特定の会話、楽曲の歌唱などが想定されます。
その際に、自分自身が発声しやすいキー(音域)でない音の高さで声を出そうとすると、きれいと感じない高音になっている可能性は十分に考えられます。
発声しやすいキーは、声の質といった個人の身体的特徴に依存するため、自分に最適なキーを把握しておくことは重要です。
きれいな高音を出すときに意識するポイント

次に、きれいな高音を出すにあたって意識すべきポイントについて解説します。
舌の緊張を解く
高音をきれいに出すためには、舌の緊張を解くことが重要となります。舌は声の共鳴や発音に大きな影響を与える器官であり、緊張することで高音の発声を難しくしてしまいます。
舌の緊張を解くためには、以下のポイントを意識してみるとよいでしょう。
- 舌が自然な状態にあるリラックスした口の形を維持する
- 舌の位置を常に意識してみる
- 定期的に舌のストレッチやマッサージを行う
自分のキーを把握しておく
きれいな高音を発声するためには、まず自分の正確なキーを把握することが重要です。自分のキーを理解しておくことで、無理のない自然な状態で高音を出しやすくなるでしょう。
キーの把握ときれいな高音の発声におけるポイントは、以下の通りです。
- 音域の特定
- 各音域における声の質を把握する
- 高音と低音を滑らかに出せるようにする
体幹と姿勢のチェック
高音をきれいに出すためには、正しい姿勢と体幹の使い方が欠かせません。
体幹とは、胸から骨盤にかけての身体の中心部分を指します。適切な姿勢と体幹の使い方により、呼吸や声帯の制御が改善され、きれいな高音を出しやすくなります。
きれいな高音を発声するための体幹と姿勢のポイントは、以下の通りです。
- 背筋を伸ばし、胸を広げる(肩甲骨を軽く寄せる)ようにする
- 腹式呼吸を意識し体幹の筋肉を意識するようにする
きれいな高音を出すための7つのコツ

ここでは、きれいな高音を出すための実践的なコツを7つ紹介します。
高音が出る仕組みを理解する
きれいな高音を出すためには、高音が出る仕組みを理解することが重要です。声帯や呼吸器官といった身体の動作を理解することで、高音を発声しやすくなります。
発声に関わる身体的なメカニズムには、以下の要素が挙げられます。
声帯の振動
声帯は空気の通り道であり、空気の流れによって振動します。そして、この振動が体外の空気に伝わることで声となります。
また、振動の速さ・細かさが声の高さに影響を与えており、振動のコントロールは声帯が担っています。具体的には、声帯が緩んだ状態だと振動が大きくなり、張っている状態だと細かくなります。
声帯からきれいな高音を出すためには、声帯と振動のメカニズムを理解し、張り具合や振動の速さを調整する必要があるといえます。
声道と発声
高音を出す際には、声の通り道である声道の開放(喉を開くこと)が重要です。
喉の周りの筋肉をリラックスさせることで、声道が広がり、空気の通り道がスムーズになります。これにより、高音が詰まることなく、きれいな音として出せるようになります。
声の共鳴
声帯の振動で生じた音が、喉や口、鼻腔などで共鳴することで、声の質や音色、響きは大きく変化します。高音を出す際には、声の共鳴を意識して調整することが大切です。
口の形や喉の位置を微調整することで、高音を美しく発声できるようになります。
腹式呼吸を習得する
腹式呼吸は、深く大きな息を吸い込み、体幹をしっかりと使って息をコントロールする方法です。この呼吸法をマスターすることで、高音を安定して出せるようになります。
腹式呼吸を実践する際のポイントは、以下の通りです。
- 背筋を伸ばし、胸を開く
- 呼吸する際にお腹を膨らませる・凹ませるイメージを持つ
- 呼吸を深くゆっくりと行う
裏声を習得する
裏声は、声帯を完全に閉じきらない状態で振動させることで発声される特殊な音であり、正しい使い方によって高音をきれいに出せるようになります。
裏声を習得するためのコツは、以下の通りです。
- リラックスした状態で練習する
- 裏声で発声したい音域を意識して練習する
- 喉を柔軟にするためストレッチも併せて行う
- 喉だけで発声せず胸部・頭頂部などで響かせるイメージを持つ
喉を開ける
喉を開くことで、声の通りが良くなり、高音をより力強く美しく出すことができるようになります。喉を開くためには、以下のポイントを意識してみましょう。
- 全身の緊張を解きリラックスさせる
- 無理のない程度に口を大きく開ける
- 顎を下げる
- 喉の奥の部分も意識するようにする
音域を広げるトレーニングを行う
きれいな高音は自身の発声しやすい音域で出せます。そして、訓練を重ねることで自らの音域を広げることが可能です。
音域を広げることで、無理なく出せる高音も広がりを持つようになります。音域の拡張トレーニングは、以下の方法を実践してみましょう。
- 喉周りの筋肉のストレッチ・ウォーミングアップを行う
- 現状での最低音・最高音から少しずつ音域の拡張を行っていく
- 発声の際に声を長く伸ばし、同じ声の状態をキープするように意識する
- 音階練習を併せて実践する
リラックスして体の力を抜く
高音をきれいに出すためには、リラックスして体の力を抜くことが重要です。緊張している状態では、声帯や喉に無理がかかり、高音がこもったり裏返ったりしてしまうことがあります。
リラックスして体の力を抜くためのコツは、以下の通りです。
- 深呼吸を定期的に行うとともに、日常的な呼吸を深く行うように意識する
- 肩や首の筋肉の凝りを解す
- 顔をすぼめたり、口を大きく開いたりして顔の筋肉を解す
- 練習を楽しむ気持ちで臨むようにする
ハミングで高音のコツを掴む
高音をきれいに出すためには、ハミングの実践も非常に効果的です。
ハミングは、声を出さずに口を半開きにして「ん」のような音を発する練習です。ハミング練習を通して、高音の発声に必要ないくつかのコツをつかむことが期待できます。
ハミングで高音のコツをつかむためのポイントは、以下の通りです。
- 声の発する位置や響かせる位置を意識する
- 喉や首、肩の緊張を緩めるようにする
- 深く息を吸い、ゆっくりと吐きながらリラックスしてハミングする
- 無理のない音域でハミングを行い音の響きを意識する
きれいな高音を出す練習法おすすめ5選

最後に、きれいな高音を出すためのおすすめの練習法を5つ紹介します。
リップロール
リップロールを行うことで、高音をきれいに出すために必要な口腔の筋肉を鍛えることができます。リップロールは、初心者からプロまで、歌手やボーカリスト、声優などにおすすめのトレーニング方法です。
リップロールの実践は、以下の内容を参考にしてみてください。
- 背筋を伸ばし正しい姿勢を取る
- 口の力を抜き、唇を軽く閉じる
- 口の両端に少し力を入れ、唇を閉じた状態で息を吐く
- 唇をブルブルと震わせながら声を発する
エッジボイス
エッジボイスは、高音をよりパワフルで鋭いサウンドにするためのボーカルテクニックです。
エッジボイスを習得することで、高音の発声にも表現力とメリハリを持たせることができるようになります。
エッジボイスのポイントは、以下の通りです。
- 声帯を閉じた状態で息を吐く
- 閉じた声帯から息が漏れ出て音になる感覚をつかむ
裏声の習得
裏声は、声帯の振動が少ない発声法であり、特に高い音域において安定した音を出すのに役立ちます。裏声を習得することで高音の声が厚くなり、抑揚のあるサウンドになるでしょう。
裏声の習得に向けて以下のポイントを実践してみてください。
- 声帯をリラックスした状態で閉じるように意識する
- 裏声を喉の奥や鼻の奥で響かせることを意識する
- 発声しやすい音域から取り組む徐々に音域を広げていく
音域を広げるトレーニング
自身が出すことのできる音域であれば、体が無理に力んでしまうこともないため、発声される声も美しくなります。
そのためには、音域を広げるトレーニングが効果的です。
スケール練習
スケール練習は、ピアノの音階に合わせて発声する練習方法であり、音域を広げるための基本的かつ効果的な方法です。事実、歌手をはじめとした数多くのプロも実践しています。
まずは、自分が出しやすい音域からスタートし、少しずつ高い音と低い音を織り交ぜて歌ってみましょう。最初は無理のない範囲で行い、徐々に範囲を広げていくことが大切です。
声帯や筋肉が柔軟になり、高音と低音の切り替えがスムーズに行えるようになります。
グリッサンド練習
グリッサンド練習は、音程を滑らかに変化させる練習法です。低音から高音まで、滑らかにつなげるように歌ってみましょう。
この練習により、音域の移動がスムーズになり、高音をきれいに正確に出すことができるようになります。
初めは不安定な部分もあるかもしれませんが、コツコツと練習を重ねることで上達します。
ミックスボイスの練習
ミックスボイスは、ヘッドボイス(ファルセット)とチェストボイスの中間の音域をうまく結びつける発声法です。
この練習を通じて、高音をきれいに出すための力強く美しいサウンドを実現できるようになります。ミックスボイス習得の練習法は以下の通りです。
スライド練習
スライド練習は、ミックスボイスを安定させる効果的な方法です。ピアノの鍵盤を使って、低い音から高い音まで徐々に音程を上げていき、順に戻すように練習します。
このとき、中間の音域において、ファルセットと胸声の切り替えを意識しながら行うとよいでしょう。
スムーズな音程の変化と、安定感のあるミックスボイスを目指しましょう。
振動練習
振動練習は、ミックスボイスの発声をより実感するためのトレーニングです。口を半開きにして「んんん」と短い音を繰り返し発声します。
この練習で、声帯の振動を感じながら、胸声とファルセットの混ざった感覚を掴むことができます。継続して行うことで、次第にミックスボイスをコントロールする能力が向上します。
歌唱練習
ミックスボイスの練習は、実際の歌唱にも取り入れることが大切です。自分が歌いたい曲の高音部分をミックスボイスで歌ってみましょう。
最初は不安定かもしれませんが、何度も練習を繰り返すことで、高音をきれいに出す技術を身に付けることができます。
レパートリーを増やしていくことで、ミックスボイスの応用範囲も広がるようになります。
きれいな高音の出し方はプロから教わるのがおすすめ!

高音を発する際の声帯の構造上、一般的な高音は弱々しく、響きも少ないものとなりがちです。きれいな高音を出すためには身体的な側面から発声のメカニズムを理解するとともに、力むことなく全身で音を響かせることが重要です。
練習の精度を高める方法としては、プロの指導を受けることをおすすめします。
練習は独学として取り組むことが可能ですが、正しい発声方法となっているのかどうかを自ら精査することは容易ではありません。
プロから指導を受けることで、適切な発声方法を、体感を伴ってスピーディーに習得することが期待できます。また、発声そのものに難しさを感じた場合にも、的確なアドバイスを受けることができるでしょう。
プロからの指導を検討する際には、ぜひ代々木アニメーション学院をご検討ください。
代アニでは、歌唱や発声などのスキルを基礎から応用まで学ぶことができ、実践的なトレーニングを通じて能力を培っていきます。さらに、業界で実績のある講師陣からの指導はもちろん、ライブハウスでの実習などもあり、現場に近い環境でプロになるために必要な能力を磨いていくことができます
週1回・短時間のレッスンで学べるコースもあり、社会人として働いている方でもプロの指導を受けることができるようになっています。
プロの指導を通じて声に携わる仕事に就きたいと考えている方は、お気軽にご相談ください。
まとめ
この記事ではきれいな高音の発声ができない原因、きれいな高音の発声にあたって意識すべきこと、高音の発声に向けた実践的なコツと練習方法について解説していきました。
高音をきれいに出せると、歌唱シーンなどでの技術力が大幅に向上することが期待できます。また、この記事で紹介した練習法やコツを実践することで、単なる高音ではなく、個性を持った表現豊かな高音を出せるようになるでしょう。
そして、紹介した練習方法の実践にあたっては、短時間でも構いませんので、毎日着々と鍛練することが重要です。日々の練習を繰り返すことで、発声可能な音域なども着実に広がっていくといえます。
声の表現力を高めたい方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
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