業界ナビ:小説家になるには?デビューする方法や今からできることを解説
小説が好きな人のなかには、自分で小説を書いてみたいと思ったことがある人がいるかもしれません。しかし、小説家になりたいと思っていても実際にどうしたら良いかわからない人や、自分には文章を書く才能がないから小説家になれないと諦めている人もいるのではないでしょうか。
小説家になるために必要な力は、努力次第で自分で身につけることができます。本記事では、小説家の仕事内容やデビューの方法、必要な能力、小説家に向いている人を紹介します。小説家を目指して、今からできることを見つけましょう。
小説家は創作した物語を文章で表現する仕事ですが、実際の仕事内容は文章を執筆するだけではなく、以下のような仕事も行います。
●企画・打ち合わせ
●原稿の執筆
●校了・販促
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
企画・打ち合わせ
出版社から小説を出版する時は小説の企画から始まり、原稿の執筆や修正、出版後のイベントの開催など、出版社との打ち合わせを複数回行います。
企画の打ち合わせには、自分がどのような小説を書こうとしているのかを相手に伝えるために、プロットを作成します。プロットとは、小説の時代背景や舞台、登場人物などをまとめた企画書のようなものです。
通常は、各小説家に編集担当者が付き、二人三脚で進めます。小説家は編集担当者とスケジュールや方向性、小説の全体構成などを細かくやりとりしていきます。打ち合わせを通じて読み手の視点やニーズを把握するのも、小説を書くために必要です。
原稿の執筆
原稿の執筆は、小説家のメインの仕事です。執筆といっても、最近は原稿の加筆修正や出版社などへの送付がしやすいという理由で、パソコンを使って執筆する小説家も増えています。
仕事場所は自宅や作業部屋、カフェなどの自分の好きな場所で行えるほか、執筆の時間も日中や夜など人それぞれです。雑誌などの連載などで締め切りが決まっている場合は、それまでに間に合うように原稿を仕上げれば、場所・時間ともに自由に行うことができます。
校了・販促
原稿が仕上がったら、印刷前の最終チェックを行います。編集担当者とともに誤字脱字や修正漏れなどがないかを確認し、この原稿のまま印刷していいかどうかを判断します。最終的に印刷の許可が出ることを「校了」と言います。
校了後は、作品の宣伝や販売方法の企画を考えます。店頭でのイベントやサイン会、インタビュー取材、SNSなどを通して作品を手に取ってもらえるようなPR活動をします。また、アニメ化やドラマ化など、他のメディアを組み合わせて販売を促進する方法もあります。
小説家としてデビューする方法はいくつかありますが、本記事では、次の3つを紹介します。
●公募やコンテストへ応募する
●出版社に売り込む
●自ら発信する
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
公募やコンテストへ応募する
デビュー方法の1つ目は、出版社や新聞社などが開催しているコンテストに応募する方法です。
SFや推理、ライトノベルなどのテーマ別の公募や、短編や長編のように物語の長さが設定されている場合もあります。自分に合った公募やコンテストへ応募するのがおすすめです。
出版社に売り込む
デビュー方法の2つ目は出版社に自分の作品を売り込む方法で、出版社に認められればデビューできます。
アポイントを取って直接訪問して持ち込む方法や、Webや郵送で作品を申し込む方法がありますが、基本的に持ち込みを受け付けているのは自費出版のみのことが多いです。
また、完成原稿ではなく、構想段階で出版社に相談することもできます。
自ら発信する
デビュー方法の3つ目は、Web小説として自分で作品を発表する方法です。最近は専門的な知識やスキルがなくても、インターネットの小説投稿サイトやブログ、SNS等で手軽に自分の作品を発信できるようになりました。自分の作品が運良く出版社の目に止まれば、執筆や出版の依頼が来るかもしれません。
小説家に必要な能力は、主に次の3つが挙げられます。
●文章表現力
●自己管理能力
●コミュニケーション能力
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
文章表現力
小説は、読み手に伝わらなければ意味がありません。語彙の種類や表現を工夫し、いかに読み手をストーリーに引き込めるかがポイントです。
読み手の想像力を掻き立てる文章表現力が求められるため、日頃から小説やドラマ、映画などを見て研究するのがおすすめです。
自己管理能力
多くの小説家は、フリーランスとして働いています。締め切りまでに自分で働く時間を決めて、計画的に執筆しなければならないため、自己管理能力は重要です。
また、締め切り直前に体調不良になり締め切りに間に合わないなどの状況に陥らないためにも、体調管理も徹底しましょう。
コミュニケーション能力
小説家の仕事は、編集担当者との打ち合わせや関係者への取材など、人と話をする機会が多いです。
相手の発言や要望だけでなく、その背景にある想いや考えまで聞く力と、自分が伝えたいことを正確に表現するコミュニケーション能力が必要です。
小説家に向いている人の特徴はさまざまですが、主に次の3要素は満たしていると良いかもしれません。
●地道に継続できる人
●知的好奇心が旺盛な人
●書きたいもののために努力できる人
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
地道な継続ができる人
小説の執筆は時間がかかります。長編の場合は、企画から完成までに数年かかることも珍しくありません。また、取材や執筆などにはやり直しや修正も多々あります。
物事を継続してコツコツ積み重ね、最後までやり遂げられる人は、小説家としてやっていける素質があります。
知的好奇心が旺盛な人
知的好奇心がある人も、小説家に向いています。背景となる知識や情報が豊富だと、小説のネタも広がります。
知的好奇心旺盛な人は、さまざまなことに興味を持って、自分から気になったら調べて掘り下げることができるので、引き出しもたくさん増やせるでしょう。
書きたいもののために努力できる人
執筆を続けていると、順調に進む時ばかりではありません。書けない時期が続いたり、小説を発表しても評価されないだけでなく、酷評を書かれたりする可能性もあります。
辛い時期を乗り越えていける力があり、書きたいもののために努力できる人は小説家に向いているでしょう。
小説家になるために今からできることを、中学生・高校生、大学生、社会人別に紹介します。
小説家になるために中学生・高校生ができること
中学生や高校生は、1つでも多くの体験をしましょう。体験は心を豊かにするので、発想力が育まれます。実体験だけでなく、他人の体験を見聞きするのも有効です。さまざまなジャンルの本をたくさん読んで、知識や経験、想像力を養いましょう。
また、わからないことを専門家に聞ける環境や、調べられる環境を整えることもおすすめです。
小説家になるために大学生ができること
小説を書くために、創作技術についての具体的な知識を身につけましょう。たとえば、エンターテインメントの基本を学び、小説とは何かをエンターテインメントの視点からに深めていきます。
大学に通いながら専門校などの週1日から学べるコースや夜間コースなどに通い、実践力を身につけることもできます。
小説家になるために社会人ができること
まずは、とにかく作品を書いて完成させましょう。発表できる作品があると、公募やコンテストへの応募や出版社への売り込みなど、自分から動いてチャンスを作れます。
また、大学生と同様に、週1日から学べるコースや夜間コースなどがある専門校で学び、実践力を身につける方法もあります。
小説家を目指すなら、代々木アニメーション学院 クリエイター学部の「シナリオ・小説科」がおすすめです。シナリオ・小説科では、小説家に必要な知識や作品審査の評価方法、小説を売り込むための企画書作成やプレゼンなど、小説家デビューに向けての実践力を身につけることができます。
業界の第一線で活躍する編集者による作品の審査やゲームやアニメなどほかの学部との合同作品制作もあり、幅広い分野で活躍できる小説家を目指せる環境が整っています。
ダブルスクールや働きながら学びたい人には、週1日から学べる「シナリオ・小説ベーシックコース」もおすすめです。小説のアイディアやストーリー構成などを基礎から学べるので、小説を書いた経験がない人でも安心して学べます。
創作した物語を文章で表現する小説家の仕事は、書籍の出版以外にもドラマやアニメ、ゲームなど、さまざまな場所で求められています。
小説家としてデビューする道は、公募やコンテストの応募や出版社への売り込みなど、複数あります。最近は、SNSなどを活用して、自分で作品の発信も手軽にできるので、小説家になれるチャンスはさらに広がっています。
小説家になりたいと思ったら、それぞれの状況で今からできる努力があります。才能がないから自分には無理だと諦めるのではなく、できることから始めましょう。
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