業界ナビ:アニメの作画とは?作画に関わる仕事に必要な能力について解説

アニメの作画とは?作画に関わる仕事に必要な能力について解説

作画とは、アニメ制作における制作工程のひとつです。

静止画である原画を動くアニメーションとして描きあげる作画の工程は、なめらかに動くアニメが作られる要ともいえます。

また、作画には原画マン・動画マン・作画監督など、さまざまなポジションの人が関わっており、それぞれ担当する仕事内容が異なります。

この記事では、作画に関わる原画マンと動画マンの仕事内容、作画に関わる仕事で求められる能力について解説します。

アニメ制作工程



アニメの作画とは?

アニメの作画とは?

作画とは、アニメ制作における制作工程を指します。

作画の制作工程では、まず原画マンが絵コンテをもとにアニメーションの動きのポイントとなる原画を描きます。

その後、完成した原画を動画マンがトレースしてきれいな線の絵に仕上げ、動きを滑らかにするために原画と原画の間に絵を増やしていく中割りという動画を描いていきます。

この一連の制作工程を、作画と呼びます。

テレビなどで当たり前のように動くアニメは、すべて元々は静止画である一枚の原画から作られています。

原画と原画の間に何枚もの絵をつなぎ合わせることで、なめらかで動きのあるアニメーションが作り上げられるのです。

アニメは、基本的に1秒間に24枚の絵を使う24コマで作られています。1枚の絵が3コマで使われるため、1秒間のアニメを動かすために8枚の絵が必要です。

1話30分のアニメ制作の場合、原画は300カット前後、動画は3,000~4,000枚必要といわれており、それらの原画や動画を作画という工程で作り上げていきます。

また、よりなめらかな動きを描写するためにフルアニメーションを用いた場合は、24コマすべてに動きのある絵が使われるため、必要な原画や動画の枚数はさらに増えます。

原画マンと動画マンが何百枚、何千枚という絵を描く作画という工程が、なめらかに動くアニメを作る要といっても過言ではありません。

作画は原画と動画の組み合わせ

作画は原画と動画の組み合わせ

アニメ制作工程では、原画を担当する原画マンと、中割りによって原画に動きを付ける動画マンが分業して制作を進めています。

基本的な作画の流れは以下の通りです。

  1. 原画マンがレイアウトやタイムシートを作成
  2. 原画マンが原画を作成
  3. 動画マンが原画を受け取ってトレースする
  4. 動画マンがタイムシートに沿って中割りを作成

ここでは、原画マンと動画マンそれぞれの仕事を解説します。

原画担当(原画マン)の仕事

原画マンは、アニメの動きのポイントとなる原画を描くポジションです。

まず、絵コンテや設定資料を把握して、レイアウトや動きの指示書にあたるタイムシートを作成します。

作成したレイアウトやタイムシートは作画監督のチェックを受け、問題がなければ原画を描きます。

この流れが、原画マンの主な仕事です。

演出家や作画監督がイメージする完成像を正確に理解し、キャラクターの表情や動き、ストーリーに合わせた構図を描かなければいけません。

そのため、作画のスタートとなる工程を担う原画マンには画力や描画スピードだけでなく、作品イメージを正確に理解して描く能力が求められます。

また、原画マンには他にも多くのスキルが求められるため、アニメ制作会社に就職してもすぐに原画マンになれるわけではありません。

知識や技術を学び、動画マンとしての経験を重ねてから任されるポジションです。

動画担当(動画マン)の仕事

動画マンは、原画のトレースや原画をもとに動きを付ける中割りを担当するポジションです。

まず、原画マンが動画用紙に描いた原画をトレースするクリーンアップという作業を行います。実際のアニメで放映される絵となるため、丁寧に仕上げる必要があります。

トレース後は、タイムシートを確認しながら原画と原画の間の絵を描く中割りを行い、なめらかに動くアニメを作り上げていきます。

この流れが、動画マンの主な仕事です。

動画マンは、膨大な枚数の動画を描いていくため、画力とともに描画スピードが求められます。

また、動画マンは専門学校を卒業して入社したばかりの新人や駆け出しのアニメーターが担当する場合が多いポジションです。

つまり、アニメーターとしての登竜門となる仕事のため、ほとんどの人は動画マンとしての経験を積み、原画マンや作画監督を目指していきます。

作画に関わる仕事で求められる能力

作画に関わる仕事で求められる能力

作画の工程に関わるのは、主に原画を描く原画マン、中割りを担当する動画マン、原画マンと動画マンをまとめる責任者の作画監督です。

共通して求められる能力は以下の通りです。

  • 画力や作画に関する知識
  • 工程を進める作業スピード

ここでは、作画に関わる仕事で求められる能力について紹介します。

画力や作画に関する知識

作画に関わる動画マン・原画マン・作画監督は、アニメの基盤となる絵に関係する仕事です。

そのため、画力はもちろんのこと、作画の工程に関する基礎知識、原画や動画の業務上のルールを知っておく必要があります。

独学では画力の向上だけでなく、作画の工程で行われているリアルな現場の状況を知ることができないため、専門学校で学んでおくのがおすすめです。

工程を進める作業スピード

作画に関わる動画マン・原画マン・作画監督には、各工程をスムーズに進める作業スピードが求められます。

アニメ制作業界は、さまざまなポジションのスタッフがそれぞれ専門的な分野を担当して、分業しながらアニメが作られていくのが基本です。

また、各工程の作業は流れが決まっているため、一つの工程が遅れてしまうと、その後に続く工程に遅れを生じさせてしまいます。

アニメ作品はリリース時期やプロモーションなどのすべてがスケジュール管理されているため、作画の工程に関わらず、全工程で期日を守っていく必要があります。

特に原画マンや動画マンは描く枚数が膨大にあるため、期日内に工程を進められる作業スピードが重要視されるでしょう。

まとめ

原画マンが描く原画、動画マンが描く動画、それらを作成する工程を作画と呼びます。

当たり前のように動くアニメですが、アニメーションの基盤となる原画と原画を動かす動画を描く作画の工程がなければ、アニメが動き出すことはありません。

そのため、アニメ制作工程において、作画は最重要工程だと言っても過言ではありません。

作画を担当する仕事には、原画マン・動画マン・作画監督などのポジションがあり、それぞれ担う仕事が異なり、上の役職になるほど高いレベルのスキルが求められます。

基本的に動画マンとして経験を積み、原画マンへとキャリアアップ、その後実力を認めてもらえれば作画監督へとキャリアアップします。

しかし、作画に関わる仕事は画力が高いだけではキャリアアップが望めません。画力とともに描画スピード、作画に関する知識を身につける必要があります。

代々木アニメーション学院では、アニメーターとして活躍した経験を持つ講師から直接指導を受けることで、より実践的なスキルを身につけることができます。

実際にアニメーターとして活躍した経験がある講師だからこそ分かる技術は、即戦力となる技術の習得につながります。

作画のスキルアップをしてアニメ業界での活躍を目指したい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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