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業界ナビ:アニメの音響監督になるための道のりとは?仕事内容や必要なスキルも解説

アニメの音響監督は、アニメ制作に関わる仕事の一つで、作品の演出や雰囲気を左右する重要な仕事です。アニメでは、ストーリーや作画も大事ですが、BGMや効果音、声なども大切で、音響監督は音声に関する演出のすべてに関われます。

本記事では、アニメの音響監督になるための方法や仕事内容、必要なスキルなどについて解説します。

音響監督とは

アニメの音響監督は、キャラクターに声を吹き込むアフレコやBGM、効果音にいたるまで、アニメの音声収録の演出家・現場監督者として制作に関わります。

アニメ全体の演出を考える監督の要望も取り入れながら、BGMや効果音を入れるタイミングや音量、声優に対してのセリフの演技指導など、作品内での音声の演出をコントロールする役割を担っています。

アニメ制作会社によって音響監督の役割は異なり、音声データとBGM、効果音を組み合わせる「ダビング作業」のみを行う人もいれば、声優のアフレコ演出のみを行う人もおり、もちろん2つを同時に担当する音響監督もいます。

また、音声の収録時に全体のバランスを整える技術的な仕事を行うミキサーが、音響監督として統括することもあります。

音響監督になるには

アニメの音響監督には、音楽や効果音に関する専門的な知識はもちろん、現場を取り仕切るマネジメント力や声優への指導力なども必要となるため、新卒でいきなり就職できるわけではありません。

まずは、音響の技術面や演出面について専門的に学べる大学の学科、専門校に入学して、基礎から業務内容まで学びます。

その後、音響制作会社やアニメプロダクションなどに入社して、ミキサーやエンジニアとしての技術的なスキルやアニメ制作の流れについて、現場で実際に作品に関わりながら経験を積んでいきます。

また、制作現場での経験を積みながら、音響監督に求められる指導力やマネジメント力を磨き、キャリアアップをするという方法もあります。

他にも、芸能プロダクションなどで役者としての経験を積み、役者の視点を活かしつつエンジニアに必要な編集技術等を身に付けて、音響監督になるという方法もあります。

音響監督に求められるスキル

音響監督は、アニメの音声全般に関わるため、技術面だけでなく、さまざまなスキルやセンスが求められます。

コミュニケーション能力

アニメの音響監督は、ミキサーやエンジニアなどの音声スタッフ、アニメ制作現場の監督やディレクター、キャラクターの声を担当する声優など社内外のさまざまな人と関わるため、コミュニケーション能力が欠かせません。

アフレコ演出では、アニメをより良い作品にするために声優に対して指導をしなければならず、相手の気持ちを汲み取りながら、一緒に最高の演出を作り出すために議論を重ねることも求められます。

また、監督の考えを汲み取って音声スタッフに伝えることも求められるため、コミュニケーションに欠かせない傾聴力や伝達力が必要とされます。

マネジメント能力

音響監督は、音声スタッフに指示を出し、スケジュールを作成・管理しながら納期までに制作を進める立場にあるため、スタッフをまとめ上げるマネジメント能力が求められます。

また、スタッフの業務をただ厳しく管理して指導するだけでなく、モチベーションを高めるような関わり方をすることも大切です。

アニメ制作は予算があらかじめ決められているため、限られた資金で最高の音響演出を創り出せるように、予算管理を行うことも重要な業務の一つです。

リーダーシップ

アニメの音響監督は計画通りに制作を終了させるために、音響スタッフ全体を統括して牽引していくリーダーシップも求められます。

音響制作時には、スケジュールの遅れを生むようなトラブルが発生することもあり、音響監督は先頭に立って問題解決に取り組み、計画通りに進められるように修正しなければいけません。

また、効果音やBGM、声優の演技、音声データをミックスするダビングの良し悪しの最終判断を下す決断力も大切です。

音楽センス

音響はアニメ全体の雰囲気を左右するものであり、シーンやキャラクターの動きに合わせた音の構成を瞬時に考えてうまく融合させるという、音声のバランス感覚が求められます。

とくに、音楽はシーンの演出を大きく変え、作品の評価にも関わるため、独創的な音楽センスが必要になることも少なくありません。音楽に対する豊富な知識はもちろん、アニメのシーンを実際にイメージしながら、雰囲気を創り上げるような表現力も欠かせないでしょう。

演技力

アニメの音響監督は、BGMや効果音の扱い方だけでなく、シーンに合わせて声で感情を表現するための演技力も求められます。

アニメ制作では、声優がキャラクターに声を当てて命を吹き込みますが、セリフをただ読み上げるだけではキャラクターと声優の一体感が生まれないため、感情をうまく表現することができません。

音響監督は、作品についての理解を深め、演出家として声による感情表現の指導を声優に行って一緒にキャラクターの演技を磨き上げていかなければいけません。

そのため、アフレコ演出を行う音響監督は声優に指導できるだけの演技力を備えているとよいでしょう。

音響や音素材作成についての専門知識

音響監督として音声スタッフをまとめ上げて指示を出すためには、オーディオ機器はもちろん、ミキシングや素材作成についての専門的な知識も必要です。

音響監督が最終ミックスをするため、自らミキサーやエンジニアとして機材の調整などをすることもあり、自分が理想とする表現を作り出すために音響の最終調整を行うこともあります。

また、音響に関連する機材もバージョンアップされていくため、最新の機材やテクニックについての情報を収集し、継続的に学んでいく姿勢も求められます。

音響監督のやりがい

アニメの音響監督の仕事のやりがいは、なんといってもアニメ作品の制作に最初から関わり、自分が関わった作品を人に届けられることです。

アニメ作品には、ストーリーや作画だけでなく、キャラクターの声やBGMなどが欠かせません。アニメのワンシーンで、BGMと作画が絶妙にマッチすることで、人々に大きな感動を与えることも不可能ではなく、ある人にとっては記憶に残り続けるような作品になることもあります。

音響監督は単なる音響の担当者ではなく、アニメに命を吹き込む演出家として制作現場で頼りにされる存在の一人です。

また、制作に関わった作品がヒットして、国内だけでなく海外でも評価されることになれば、さらに大きな満足感とやりがいを感じられるでしょう。

アニメの音響監督を目指すなら代々木アニメーション学院がおすすめ

代々木アニメーション学院では、アニメの音響監督になるために必要なスキルを学べる「アニメ音響科」があります。

アニメに必ずといっていいほど使用する効果音の加工、アニメ制作のプロの現場で使用される機材の操作方法、声優への演技指導に必要なディレクション技法など、音響監督として必須の技術を学べます。

アニメ音響科の教室には、専用の録音スタジオが併設されており、現場と同じ環境で録音や演出などを体験できるので、アニメの音響制作の経験が積めます。

また、代々木アニメーション学院で行われるイベントや行事で音響を担当することや、録音スタジオで現役のプロ声優の録音に関わることもあります。

セリフやBGM、効果音などの音素材の作り方やダビング技術については、音響分野の専門家から直接学べるため、音響監督に必要な最新のテクニックも習得できます。

アニメの音響監督になるなら制作経験を積んでキャリアアップしよう

アニメの音響監督は、アニメに使用する効果音やBGM、キャラクターに声を吹き込むアフレコいたるまで、アニメの音声収録の現場監督者や演出家として制作に関わります。

アニメの音響監督になるには、ミキサーやエンジニアとしての音響技術についての経験やスキルを積み、声優への演技指導についても学びながら、キャリアアップしていくのが一般的です。

音響技術について大学や専門学校で学ぶのはもちろん、代々木アニメーション学院の「アニメ音響科」のように、アニメの音響制作についてプロの現場と同じ環境で早めに学ぶことが、即戦力としてアニメ制作に関わるには欠かせないでしょう。

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