業界ナビ:アニメーターの年収はどれくらい?業界の事情と年収アップのコツ
テレビやアニメ、映画やゲーム、CMなど、さまざまな場所でアニメーションが使われています。
アニメーション制作の中でも、作画を担当するアニメーターは人気が高い職業の一つです。
しかし、アニメーターとして働きたいと思いつつ、年収がどれくらいか気になるという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、アニメーターの年収や業界の事情、年収を上げる方法を紹介します。
アニメーターの平均年収
アニメーターの平均年収がどれくらいか気になる方も多いでしょう。ここでは、アニメーターの平均年収を紹介します。
アニメーターの平均年収は440万円
アニメーション制作者実態調査報告書2019によると、2017年におけるアニメーターの平均年収は約440万円でした。
なお、国税庁が公開している日本人の平均年収は461万円であるため、アニメーターの平均給与はやや低くなっています。
一方、平均年収が600万円を超えているアニメーターは全体の19.4%であり、約5人に1人は600万円を超えている計算です。
また、平均年収が100万円以下のアニメーターは全体の8.3%ほどですが、これは就業形態の約70%がフリーランスや個人事業主であり、正社員としてフルタイムで働いていない人が多いことも理由としてあります。
年代別の年収
アニメーターは仕事をこなすほど収入が増えます。
しかし、1日のうちの作業量には限界があることや新人は単価が低いため、以下のように若いうちは年収も低い傾向にあります。
年代別の年収は以下の通りです。
- 20代前半:154.6万円
- 20代後半:245.7万円
- 20代:200.1万円
- 30代前半:365.2万円
- 30代後半:511.1万円
- 40代前半:520.7万円
- 40代後半:529.8万円
- 50代前半:610.8万円
- 50代後半:543.8万円
30代前半までは全産業平均年収を下回りますが、30代後半からは上回っています。このように、アニメーターは経験を積んで実力が増すと収入にもしっかり反映される業種です。
引用:総務省-アニメーション制作者実態調査報告書2019
労働条件
アニメーターは30代から年収が増えやすい傾向にありますが、一方で労働条件はどうなっているのでしょうか。
アニメーション制作者実態調査報告書2019によると、1日の平均作業時間や1ヶ月あたりの作業時間は以下のようになっています。
- 1日の平均作業時間:9.66時間(中央値は10時間)
- 1ヶ月あたりの平均作業時間:230.97時間(中央値は225時間)
作業時間が長くなる理由は、業界に入ってくる人が新人・未経験である場合が多く、最初の方は長めの労働時間になるためです。
経験を積むごとに作業スピードと質が向上するため、年齢が高くなるに連れて作業時間は減り休日も増えやすい傾向にあります。
このあたりは、一般の仕事と大きく変わらないと言えるでしょう。
若いアニメーターの年収は低い?
アニメーターの平均年収は、20代の一般的な収入に比べて、過去は低い傾向にありました。ただし、デジタル化によってアニメーション制作の効率化がされており、収入も上がってきています。
ここでは、その理由を解説します。
過去、多くの会社は出来高制だった
過去のアニメーターの就業形態の多くは個人事業主・フリーランスであり、収入が出来高制になりやすいことが年収が低い理由になっていました。
出来高制とは、動画を一枚描いていくらという形で、描いた枚数分のお金をもらうシステムです。
例えば、動画一枚300円として、新人が1か月で書ける枚数が400枚の場合、月に12万円という計算になります。
最近は、各会社がアニメーターの育成に力を入れており、大手の制作会社であれば、新人でも初任給で月26万円の給料を得られる会社もあります。
需要に対して供給が不足している
2023年の日本のアニメーションの1年間での新作制作本数は約240作品でした。これは、2000年と比べると約3倍に増えています。
理由は、テレビアニメーションだけでなく、ネット配信専用のアニメーションも増えているからです。
それに対してアニメーションの現場では、アニメーターの中でも特に原画を描く人が不足しています。各会社、原画マンを育成するために、アニメーターを動画マンの頃から生活が安定するように給料を上げており、待遇面での業界の改善が進んでいます。
アニメーターが、より年収を上げる方法
アニメーターが、より年収を上げるための具体的な方法を紹介します。
キャリアアップを目指す
近年、動画マンの待遇面が改善されていますが、原画を描く人の収入も上がっています。ベテランの原画マンになると、月に50万円前後の収入を得ている人も少なくありません。
過去には動画マンから原画マンにキャリアアップするには、3~5年はかかっていましたが、現在は、原画マンの不足もあり、2~3年で原画にキャリアアップすることが平均になってきています。
特に、代々木アニメーション学院などの専門の学校でアニメーターの基礎を事前に学んでおくと、キャリアアップがさらに早くなります。
未経験からアニメーターになるためには
未経験でもアニメーターになることは可能です。ここでは、アニメーターになる方法を紹介します。
独学でスキルを身につける
独学でスキルを身につけてアニメーターになることは可能ですが、リスクやデメリットもあります。
そもそも絵が得意というだけでアニメーターになれるわけではなく、相応の技術を身につけなければいけません。
また、独学だと苦手なことを避けてしまい、能力に偏りが生じやすいため注意が必要です。
実際に仕事を請け負うとなるとクライアントの要望に応える形で仕事を行うため、「経験がないからできません」「不得意だから対応できません」は通用しません。
独学でアニメーターを目指すなら、クライアントの要望に応えられる幅広い知識や技術を習得する必要があります。
独学は費用がかからなかったり、自分のペースで学べるメリットがありますが、せっかく習得したスキルが仕事に役立たない可能性があることを覚えておきましょう。
専門校・専門学校に通う
未経験からアニメーターになるためには、専門校・専門学校に通うことをおすすめします。
専門校・専門学校に通うメリットは正しい知識と仕事に必要なスキルが習得できることです。講師は現役アニメーターや現場で活躍していた人がほとんどで、プロから本格的なアニメづくりの指導を受けられます。
専門校・専門学校なら、不得意な分野も講師の指導を参考にしながら学べることも魅力のひとつです。
また、アニメーション業界には次々と新しい技術が取り込まれており、独学ではすべてをカバーすることは困難です。
その点、専門校・専門学校なら現場で働いているアニメーターから最新技術を習得できるため、これから必要となる知識やスキルを先取りできます。
カリキュラムによっては実際にアニメ制作ができるため、アニメーターとなって働く場合のイメージもしやすいでしょう。
制作会社とのパイプを持っているところも多く、就職に役立つことや、業界の最新情報が入りやすいメリットもあります。
まとめ
この記事では、アニメーターの平均年収や年収を上げる方法などを紹介しました。
アニメーターは年収が低いといわれることも多いですが、平均年収は440万円で全体の約20%は平均年収600万円を上回っています。
年代によっては日本人の平均年収を上回っており、決してアニメーターの年収が低いとはいえません。
アニメーターは個人事業主やフリーランスが多く、経験やスキルによって仕事量や単価も変わってくるため、実績を積むと年収が大きく上がりやすいことも特徴の一つです。
また、動画マンから原画マンにキャリアアップすることで年収を上げることもできます。
アニメーターとして成功するなら、専門校・専門学校に通って現場で通用するスキルの習得を目指しましょう。
代々木アニメーション学院のアニメーター科では、現役アニメーター指導のもとで最新技術を習得できます。
現在も現役のアニメーターとして制作に携わっている講師から学べるため、変化が大きいアニメ業界の今を知れることも強みです。
デジタルアニメ作画の基礎から、原画実習・アクションアニメ作画などさまざまなカリキュラムがあります。
夢に向かって安心して学べる各種支援制度もありますので、まずはお気軽にお問い合わせください。