業界ナビ:アニメーターを独学だけで目指すのは難しい!その理由やおすすめのなり方を紹介
アニメーターを目指す方の中には、「独学でもなれる?学校に通った方がいい?」と疑問を持っている方もいるでしょう。
結論からいうと、独学だけでアニメーターになるのは不可能ではありませんが、現実的には難しいです。
この記事では、独学でアニメーターを目指すことが難しい理由やメリット・デメリット、おすすめのなり方について詳しく紹介します
目次
アニメーターは独学でもなれる?
アニメーターに資格や学歴などの条件はないため、十分なスキルがあれば独学でも不可能ではありません。
しかし、進化するアニメーション業界や求められるスキルなどを総合的にみると、現実的には独学だけでアニメーターを目指すことは難しいといえます。
アニメーターには、1枚の絵をきれいに描きあげるだけでなく、2枚の絵の間に描き加えて動きを滑らかにしたり、高いクオリティで早く描けたりするなどのスキルが求められます。
これらのレベルを高めるためには実践経験も必要となりますが、独学だとチームを組んでの練習ができず、基本的なスキルを習得する機会を作ることがなかなかできません。
アニメーターを独学で目指すなら、明確に目標を立ててモチベーションを維持しながら学習を行う強い意志や精神力が必要です。
アニメーターを独学で目指すメリット
アニメーターを独学で目指すメリットとして、費用や学習のペースなどが挙げられます。ここでは、独学のメリットを紹介します。
学費がかからない
独学は教科書や動画などを参考にしながら学習できるため、学費がかからないメリットがあります。
費用を抑えながらアニメーターを目指したい方にとって、独学は魅力に感じるでしょう。
しかし、独学でも参考書の購入が必要になることや、最新技術を学ぶために有料セミナーに参加することもあります。
また、講師の指導を受けられる学校に比べると、独学は自分ですべて調べて学習する必要があるため、スキルを習得するまでには時間がかかるのも一般的です。
そのため、アニメーターになるまでの時間が多くかかり、結果的に諸費用が積み重なることによってトータルの出費が多くなる場合もあります。
自分のペースで練習できる
独学のメリットは、時間に拘束されずに自分のペースで練習できることです。
生活のためにアルバイトが必要な方や、すでに社会人として働いている人なども、空いた時間を活用しながら学習を進められます。
しかし、自分で学習計画を立てて実行する必要があるため、高いモチベーションがないと途中で挫折してしまう可能性があります。
特に仕事が忙しいという理由で独学を選ぶ場合は、疲れていても自分を奮い立たせて学習を行わなければなりません。
アニメーターを独学で目指すデメリット
アニメーターを独学で目指すことには、いくつかのデメリットもあります。ここでは、それぞれのデメリットを解説します。
専門的な知識を得ることができない
アニメーションの仕事は、絵が上手いだけではできません。
動画の描き方には専門的な作法があります。キャラクターの動かし方、映像化を前提とした絵の構成は、テレビで毎週放送する日本の商業アニメーションの現場で、独自の進化を遂げてきました。アマチュアの自主製作のアニメーションの作り方とは、大きく異なります。
これは、現場のプロに学ばないと得られない知識です。ただし、今の現場ではアニメーションの制作本数が増えていることもあり、未経験者に一から教える余裕がないのが現状です。
絵が上手いだけでアニメーション業界に入れたとしても、知らない作法が多くて仕事をこなせないのが現実なのです。
力を伸ばすことができない
アニメーターを独学で目指す場合、自分の苦手な分野を避けてしまいやすく力を伸ばしにくいデメリットもあります。
アニメーターとして仕事を行うようになると、自分の好きな分野の仕事ばかりが依頼されるとは限りません。プロとして、苦手な分野でも高いクオリティで仕上げる必要があります。
独学で「自分のやりたいことだけをやる」というスタンスの学習だと、必要な力を伸ばすことができません。
そのため、独学なら意識的に苦手な分野にも取り組まなければなりませんが、自分で克服するためには多くの努力が必要となります。
一方、カリキュラムが組まれている学校の場合だと、わからないことや苦手なことも講師に教えてもらうことで効率よく学習できます。
客観的な意見やアドバイスがもらえない
独学のデメリットは、客観的な意見やアドバイスがもらえないため、自分の足りていないスキルが把握できなかったり、苦手分野に気づけないことです。
例えば絵の練習でも、「描き方はあっているのか」「前より上手くなっているのか」など、自分ではわからないことが多くあります。
場合によっては、間違った練習を繰り返すことでクセがついてしまう場合もあるため注意が必要です。
その点、学校であれば講師や先輩・同級生に意見を聞くことができるため、自分に足りていないことを認識したり、間違いを修正できます。
時間がかかる
アニメーターを独学で目指すデメリットは、学校に通う場合に比べて時間がかかることです。
学校に通う場合は、カリキュラムをこなして適切に学習を行っていれば、卒業する頃にはアニメーターに必要なスキルが身についています。
しかし、カリキュラムを組まない独学の場合、苦手分野の克服に多大な時間を割いたり、勉強時間を確保できないなどの理由から、必要なスキルが身につくまでに時間がかかります。
また、就職する場合もフリーランスになる場合も、自分を売り込むためにはポートフォリオの作成が必要です。
学校ではポートフォリオの作成もカリキュラムに入っていることが多いですが、独学だと自分ですべて行わなければなりません。
就職先を自分で見つける必要がある
アニメーターとして就職を検討している場合、独学だと自分で就職先も見つけなければなりません。
一方、学校は企業とのつながりが強いことや、優秀なアニメーターを求めて寄せられる求人が多いという特徴があります。
特にアニメーターに必要な基本的なスキルから応用まで身につけられる専門校や専門学校には、即戦力を求めて求人を出す企業も多いです。
アニメーターへの就職や転職を検討している方は、独学よりも企業とのパイプがある学校に通う方がよいでしょう。
アニメーターを独学で目指すためにやっておきたいこと
アニメーターを独学で目指している人が行っていることを紹介します。
デッサンと複写とトレースを反復学習する
アニメーターに最低限必要となるスキルは画力で、独学で身につけるためには以下の3つの練習を何度も繰り返すことが大切です。
- デッサン:人物・建物・静物を描く
- 複写:手本となる作品をそのまま描く
- クリンナップ:線を丁寧に写し取る
特にアニメではトレースや複写で描くことも多くあるため、これらのスキルを確実に身につけておく必要があります。
画力を高めるためには継続的な練習が必要となるため、普段からいろいろな方法で描くことを習慣化させましょう。
自分のスキルを示せる作品を作っておく
独学でアニメーターを目指す場合は、自分のスキルを示せる作品(ポートフォリオ)が必要です。
ポートフォリオは自分のスキルを証明したり、他のアニメーターと差をつけるために欠かせません。
アニメーターは資格や学歴が必要ないため、制作スタジオの面接なら採用担当者や作画の責任者などが、ポートフォリオを参考にして実力を判断します。
ポートフォリオは、数よりもバリエーションや質が重要です。
バリエーションが少ないと対応できる仕事の幅が狭いと思われて、質が悪ければ他のアニメーターが選ばれてしまいます。
独学の場合だと「自分は上手にできた」と自信があっても、第三者から見ると「いまいち」と思われることも少なくありません。
第三者のアドバイスがもらえないことで、ポートフォリオが上手くいかないこともあるでしょう。
アニメーターを目指すなら独学より学校がおすすめ!その理由とは
アニメーターを目指すなら独学よりも学校がおすすめです。ここでは、学校に通った方がいい理由を紹介します。
独学でアニメーターになれるのは僅か
独学でアニメーターになれるのはごく僅かであるため、夢を実現するためには学校に通うのがおすすめです。
独学でアニメーターになることが難しい理由は、以下のようなことが挙げられます。
- モチベーションが続かない
- アニメーターに必要な基礎スキルが身につかない
- 最新のアニメーション技術についていけない
- 質の高いポートフォリオが作れない
- 苦手な分野が克服できない
もちろん、これらを上回る実力があれば独学でもアニメーターを目指すことは可能です。
しかし、アニメーションはチームで作るものであり、他のメンバーと足並みをそろえることやコミュニケーションを積極的にとる必要もあります。
学校であればチームを組んで作品作りを行いますが、独学だとそのような機会はほとんどありません。
せっかくアニメーターになれても、スキル以外の面で問題が生じるケースもあります。
学校なら指導者や仲間と情報共有ができる
学校でアニメーターを目指すメリットは、指導者や仲間と情報共有を行えることです。
学校に行けば同じアニメーターを目指す同志がたくさんいます。気持ちが負けそうになったときは励まし合ったり、先輩を目標にしたり同級生をライバルにすることで、モチベーションの維持にもつながるでしょう。
就職に関する情報交換を行ったり、フリーランスで活躍している卒業生のノウハウを教えてもらったりなど、自分のキャリアの参考にもできます。
現場で実際に働いている講師から、アニメーション業界の事情を聞けることもメリットです。
また、実際にアニメを作るカリキュラムがある学校なら、他のポジションの内情を知れたり、大変さも共感できます。
苦手なことにも挑戦できる
学校に通うメリットは、自分の得意・不得意に関係なくカリキュラムに沿って学習を行うため、苦手なことにも挑戦できることです。
独学だと苦手なことに挑戦しても上手くいかず、後回しにして身につかないこともあります。
その点、学校なら苦手な分野もしっかり学習できて、業界が求めるスキルを身につけられるでしょう。
実際にアニメーターとして仕事を行う場合、「得意な分野だけ」というわけにはいきません。苦手な分野でも対応できるスキルを身につけるためには、学校に通った方がよいでしょう。
分からないことがあったら相談できる
学校に通うメリットは、分からないことがあったらすぐに相談して、その場で解決できることです。
独学だと分からないことがあったら自分で調べる必要がありますが、教科書やネットを参考にしても情報が多いと、どれが正解かもわかりません。
学校なら簡潔に知りたいことだけを聞けるため、効率的に学習を進められます。友人と教え合ったり、先輩に聞いたりもできるでしょう。
アニメーターを目指すなら、覚えなければならないことがたくさんあります。
学習の過程でわからないことも多く出てくるため、その度に気軽にアドバイスをくれる人が周りにいる方が確実にステップアップできるでしょう。
まとめ
この記事では、アニメーターを独学だけで目指すのが難しい理由やおすすめのなり方を紹介しました。
アニメーターには特別な資格や学歴が必要ない分、自分を売り出すために高いスキルや質の高いポートフォリオが必要です。
また、アニメーション制作はチームで行うため、コミュニケーション能力や協調性なども欠かせません。
独学だと自分の苦手な分野を避けてしまったり、業界が求めるスキルが身につかないなどのリスクもあります。
そのため、アニメーターとして活躍するために必要なスキルやコミュニケーション能力を身につけるためには学校に通うことがおすすめです。
代々木アニメーション学院のアニメーター科は、現役アニメーター指導のもとで最新技術を学べる専門校です。
アニメーターに特化して学べて画力の向上はもちろん、商業アニメーション専門の作法も学ぶことができます。デジタル動画の技術習得やポートフォリオの作成も可能です。
また、代々木アニメーション学院には学費サポート・新聞奨学生制度・上京サポートなど夢に向かって学べる支援制度もあり、「経済面が不安で独学の選択肢しかない」という方も安心して学べます。
まずは、お気軽にお問い合わせください。