業界ナビ:フリーランスのアニメーターに必要なスキルは?メリット・デメリットを紹介
アニメーターの働き方といえば、「制作会社やスタジオなどに就職して働く」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
しかし、正社員のアニメーターは意外と少なく、全体の約半数はフリーランスとして働いています。
どちらが自分に向いているかはもちろん人によって異なりますが、フリーランスにはどんなスキルが必要でメリット・デメリットがあるのでしょうか。
この記事では、フリーランスのアニメーターに必要なスキルや、メリット・デメリットを紹介します。
目次
フリーランスのアニメーターは実は半数ほど!
アニメーション制作者実態調査報告書2019年によると、フリーランスのアニメーターの割合は全体の50.5%です。
もちろん、正社員として募集している制作会社やスタジオも多くあるため、会社員として働くことも可能です。
フリーランスアニメーターとして働くメリット
フリーランスは自由に契約をして仕事ができる働き方です。ここでは、アニメーターがフリーランスとして働くメリットを紹介します。
働く場所を自分で決められる
フリーランスアニメーターのメリットは、企業や組織に属さないため、働く場所を自分で決められることです。
アニメーターにフリーランスが多い理由は、技術さえあれば、北海道から沖縄までどこでも仕事ができるからです。
日本国内には、地方都市にも多くのフリーランスのアニメーターがいます。デジタル化によって、どんな場所で働いていてもタイムラグなく仕事ができるようになりました。
過去のアナログ時代、地方在住のアニメーターは紙に描いた原画を郵送や宅配便で東京のアニメーション会社に発送していました。でも今は、ネットですぐに送ることができます。
特に原画を描けるようなアニメーターであれば、日本国内どこにいても仕事を受けることができるようになったのです。
自分の好きな作品、やりたい作品に携わることができる
会社所属のアニメーターは、その会社が制作しているアニメーション以外には携わることが難しいです。例えば、アクションアニメが好きな場合でも、所属する会社でアクションアニメを制作していなければ、好きでも携わることができないのです。
一方、フリーランスのアニメーターは、会社に関係なく自分のやりたい作品に携わることができます。これは、フリーランスの大きなメリットと言えます。
フリーランスアニメーターとして働くデメリット
フリーランスにはメリットがある一方で注意点もあります。ここでは、アニメーターがフリーランスとして働くデメリットを紹介します。
仕事が常にあるとは限らない
アニメーターとしてフリーランスの仕事ができるのは、主に原画マン以上です。動画マンでフリーランスの仕事をすることは難しいです。動画マン(新人アニメーター)に仕事を依頼する会社はほぼありません。
そのため、フリーランスになるためにはまず、アニメーションの会社に就職して実績を積み、原画マンになる必要があります。
実績や人脈がないままフリーランスとして仕事をもらうことは、ほぼ不可能と言えます。まずは制作会社などに所属し、信頼と実力を得られた状態で独立するのが一般的です。
社会保障制度がない
フリーランスアニメーターとして働くデメリットは、社会保障制度がないことです。
正社員の場合は健康保険や厚生年金の加入を会社で行うため、確定申告をしたり、自分で税金を納めにいったりする必要がありません。
福利厚生が充実している会社なら、有給休暇制度や賞与、住宅手当や育児休暇など、さまざまな制度が受けられるでしょう。
フリーランスでも利用できる制度はありますが、すべて自分自身で調べて手続きを行ったり、専門家に依頼したりしなければなりません。
確定申告も行う必要があるため、収入や経費の管理なども日頃からしておく必要があります。
フリーランスは自分ですべての責任を負うという点ではデメリットもありますが、その一方でお金や税金の知識が身につくなどのメリットもあります。
フリーランスアニメーターに必要なスキル
アニメーション業界においてアニメーターは非常に重要な役割を担っています。ここでは、フリーランスアニメーターに必要なスキルを紹介します。
アニメーターとしての基本スキル
アニメーターとして最も求められる基本スキルは、デッサン力と画面構成力です。
アニメのキャラクターを違和感なく描くことや、魅力的に表現することを考える創造力、これらを表現する高い画力が求められます。
また、キャラクターを動かす力もアニメーターには重要です。
アニメは漫画が原作となっているものも多く、原作がある作品は原作者やそのファンがイメージを崩すことなく、観ている人が納得できるようなキャラクターや動きを表現することも大切です。
また、最近ではデジタルツールやソフトなどを使って作品を仕上げていくケースがほとんどで、これらを使用できることで活躍の幅が広がります。
仕事を得られるだけの実績
フリーランスアニメーターになるためには仕事を得られるだけの実績が必要であり、経歴やポートフォリオに加えて現場での信頼なども重要です。
経歴は、「〇〇の制作会社で実績を積んだ」「〇〇のアニメーター専門校を卒業した」などのことで、ポートフォリオは自分がこれまで制作してきた作品集となります。
実績があればあるほどクライアントからの信頼も増し、より大きなプロジェクトや単価の高い仕事を受注しやすくなります。
実績はすぐに作れるものではなく、時間をかけて積み上げていくものです。
仕事を獲得するためにもポートフォリオにこれまでの経験や作品をまとめ、能力やスキルを伝えられるようにしておきましょう。
コミュニケーション能力
フリーランスアニメーターとして働く場合、さまざまなクライアントやチームと関わりを持ちながら仕事を行うため、コミュニケーション能力も重要です。
コミュニケーション能力が優れているアニメーターは他の人と意思疎通を図りながら、円滑に仕事を進められます。連絡をこまめに行うことでミスを防ぐことにもつながるでしょう。
クライアントやチームと良好な関係を築いていくことで、新しい仕事の機会に巡り合えることもあります。
つながりを大切にしていると、同じアニメーターから共同作業を依頼されたり、監督から直々に依頼してもらえることもあるかもしれません。
作業スピード
フリーランスアニメーターは、指示された絵を的確に描くことに加えて作業スピードも大切です。
作業スピードの速さは収入に直結する要素となるため、作業が遅れると自分の生活に影響が生じます。作業スピードを速めることで、効率よく仕事を行うことができます。
しかし、作業スピードが早くても仕事が雑になると逆効果であるため、質を重視することも重要です。
また、フリーランスはクライアントとの信頼関係によって成り立っているため、納期管理も徹底して行う必要があります。
納期に遅れてしまうと仕事を発注してもらえなくなる可能性もあるため、作業スピードは常に意識しておきましょう。
フリーランスアニメーターになるなら学校でスキルを磨こう
フリーランスアニメーターを目指すなら、専門校や専門学校などの学校に通ってスキルを磨くことをおすすめします。
アニメーターになるために必要な学歴や資格はありませんが、絵を描く技量や画力、デジタルツールを使いこなせるスキルが必要です。
将来的にフリーランスアニメーターとして活躍したいと考えている場合は、学校に通ってスキルや実績を積む方法が近道となります。
在学中に学んだスキルや実績を活かして卒業後に制作会社やスタジオに就職し、実績を積んでからフリーランスとしての働き方を視野に入れるとよいでしょう。
また、学校の実習では実際の仕事と同じようにチームを組んで行われることもあるため、コミュニケーションスキルを磨くことにもつながります。
アニメーターとして働く選択肢を増やすためにも、学校に通うことをおすすめします。
まとめ
この記事では、フリーランスアニメーターに必要なスキルやメリット、デメリットなどを紹介しました。
フリーランスのメリットは働く場所を自分で決められることや、自分の好きな作品、やりたい作品に携わることができることです。一方で、収入が安定しにくいことやお金や税金の管理などを自分で行う必要があるなどのデメリットもあります。
また、フリーランスアニメーターとして仕事を得るためには、画力やコミュニケーション能力も大切です。しかし、アニメーターには幅広い知識やスキル・経験が求められるため、独学では限界を感じることも多くあります。
これらのスキルを身につけてフリーランスとして活躍するためには学校に通って正しい技術を学ぶことがおすすめです。
アニメ・エンタメの専門校である代々木アニメーション学院のアニメーター科では、現役アニメーターのもとでプロ仕様の機材で学べます。
カリキュラムではアニメ作品やポートフォリオの制作、キャラクターデザインなどを行い、他科の学生と協力しながら卒業アニメの制作もします。
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