アニメ学部新聞第18号♪アニメ背景美術科特集 第1弾!!「スタジオちゅーりっぷ」様のイベントレポート&特別インタビューもあります!!

2021.2.10

アニメ背景美術科特集 第1弾

Special Feature

今回は初の「アニメ背景美術科」特集です!
アニメの背景美術を専門で学べる学校って、他になかなかありません!
そもそもアニメには必要不可欠である「背景美術」…アニメには毎回背景があるけど、どうやって、どんな人が描いているんだろう?
そんな疑問の解消から、代アニのアニメ背景美術科のスゴさ、さらにはビッグなニュースまで、盛りだくさんでお届けいたしますよ~!!

アニメ背景美術とは?

About Anime Background Course

さっそく、アニメの「背景美術」の説明に入りましょう!
きっと、「アニメ背景美術とはどういったものなの?」という方も多いと思います!
商業アニメ制作と全く同じ工程で作られた、代アニの卒業制作アニメ「おてまち」の素材を使って説明しちゃいます!
アニメ背景美術は、「美術設定」を基にカット(場面)ごとに合わせた背景を専門に描くお仕事です。

映像の設計図としてはシナリオから起こされた「絵コンテ」(映像の設計図のようなもの)が最初ですが、背景はもう一段階の工程を経て制作が始まります。
その工程とはアニメーターや演出・監督によって描かれる「レイアウト原図」(「背景原図」とも)。
キャラクターと背景の対比や、動きを考えた空間の設計図のようなものです。

こちらを基に、透視図法(パース)をきちんと合わせたり、設定ときちんと合わせながら描き進めていきます。
同じ場所を描く場合でも、時間帯設定や特殊シチュエーション(特定のオブジェクトが壊れていたり…)など、いろいろと考えることが多いので注意が必要です。
また、ただ1枚背景を描くだけではなく、キャラクターやカメラワークとの兼ね合いで素材分けをしたり、仕様に合わせた様々な調整も行います!

ついに完成です!最後に背景として完成するまでにも、いろんな人の手に渡っているんですね。

それにしても、素材を見ているだけでも、ここまで本格的に現場と同じ工程・同じ分業でアニメを作れる代アニのアニメ学部の学科の充実ぶりが実感できます…。
アニメ学部には「アニメ背景美術科」、「アニメ音響科」、「アニメ監督・演出科」、「アニメーター科」と、アニメにおけるほぼ全ての工程に合わせた学科が揃っています!
興味のある学科については、過去のアニメ学部新聞を読んでみたり、入学案内書の請求や、イベントなどでもっと深い情報にアクセスしてみてくださいね!

大ニュース!&イベントレポート

Big News & Event Report

皆様、老舗背景スタジオのスタジオちゅーりっぷ様をご存知ですか?
劇場版まどか☆マギカキンプリなどの背景を担当なさっている、長い歴史を持ちながら現在もアニメ背景業界の第一線で活躍なさっている背景スタジオ様です!
そのスタジオちゅーりっぷ様がな、なんと……
代アニの講師に就任&カリキュラム編成を担当いただきます!!

ちゅーりっぷ様のスゴさに関しては、文章で語るより、実際に見ていただくのが早いと思います…!
以前、代アニにて代表取締役の長尾様、美術監督の池田様にライブドローイングイベントを行っていただいた時の様子をお届けいたします!
お2人とも様々なアニメ作品で美術監督を務めている、プロ中のプロです!

池田様はデジタル、長尾様はアナログの背景描画の技術・スピードを余すことなく発揮していただき、長尾様の手元を映したスクリーン上でも、みるみる自然物が描き上がっていきます!

鉛筆1本を自在に扱うテクニックは、デジタルにも共通するものであり、イベント見学中の現役のプロである代アニの描画講師たち(アニメーター科、イラスト科)も舌を巻くばかり!
まるで学生時代に戻ったかのようにメモを取っていましたよ!

その後、代アニのアニメ背景美術科1年の作品を添削してくださる特別講座も行われました!

次年度はちゅーりっぷ様の授業を受けることになる生徒たち…一足早く、授業を受けられるこの機会に、生徒たちも自信の1枚を持ち込んでくれました!
それぞれの作品に対する的確かつ実践的な添削をいただき、ハッとした表情でコメントを聞き入っていました!

添削を受けた生徒さんの中からお2人にコメントをいただいたところ…
Sくん「大きな画面で自分の絵に詳細なチェックをいただき、自己評価との差に始めは少し落ち込みました。ですがイベントが終わった今、いただいた修正ポイントを今後の自分の絵に反映できるのがどんどん楽しみになってきました!」
Kさん「現場の第一線で活躍されているプロの方に評価していただき、改めて自分の課題に気づくことができました。アナログの技術は特に印象的で、2年生になって講師として教えていただくのが楽しみです!」
と、かなりポジティブに刺激を受けている様子ですね…!頑張ってください!

さらに!イベントにご登壇いただきました長尾様、池田様にインタビューもお受けいただきましたので、その様子もお届けいたします!

スタジオちゅーりっぷ
長尾様 池田様インタビュー

Interview

インタビュアー:アニメーター科講師Y
―まずは、来期から代アニの背景科カリキュラム編成にも関わっていただき、講師としてもちゅーりっぷ様の現役クリエイターの皆様が講師を務めていただけると伺っております。講師、カリキュラム編成をお受けいただく経緯をお聞かせいただけますでしょうか。
長尾様:知り合いの監督さんの紹介で代アニ様の東京校の校長先生とお話させていただいたのがきっかけですね。校長先生も私も熊本の出身で、同郷のよしみで非常に話が盛り上がりまして…その流れで後はトントン拍子で一気に決まりました。

―現在、日本のアニメ産業は劇場興行収入の大幅更新や、配信サイトでの人気が世界規模で広がっていたりと、国内・世界共に非常に盛り上がりを見せています。中でも、日本のアニメ背景は2Dアニメだけではなく3Dアニメの背景にも起用されることも多く、多様な表現が見られるようになっている昨今のアニメ業界でも、その技術力を際立たせ確固たる地位を築いています。アニメ背景美術業界の現状についてや、この先どういった流れになるのか、お考えをお聞かせいただけますか?
長尾様:背景美術はずっとAI化できると言われ続けてきたましたが、アニメ制作における他のセクションと比べてもその兆しすら見えてきませんし、これからも変わらないと思います。人の持つ「偶発性」こそが今、求められているのかなと感じています。
池田様:PCでのデジタル背景になり、やれることは増えています。しかし、「人間が描く」ということは何も変わっていません。それはこれからも変わらないのではないかと感じています。

―代アニのアニメ背景美術科カリキュラム編成を担当していただく上で、生徒たちをどういった人材として育成し、現場に出て行って欲しいというビジョンについてお聞かせいただけますか?
長尾様:信念あるクリエイターとして育ってもらえるように、自分の芯を見つけられるような人材への育成を考えています。やはり専門的な業種ですし、「何となく」ですと結局仕事としては続けられませんからね。

―最後に、今回はアニメ背景美術科特集ということで、アニメ背景に興味を持ってくれている人が多く見てくれることになると思います。アニメ背景業界及び代アニのアニメ背景美術科を目指す皆さんに一言あれば、お願いいたします!
長尾様:世の中にはいろいろな仕事があります。その中で、アニメ背景美術という仕事に興味を持ってくれた。その時の気持ちを忘れず、挑むつもりで努力を続け、自分をしっかり持ち続ければきっと良い背景マンになれます。
池田様:とにかく、諦めないで欲しいですね。楽しくなるタイミングは人それぞれです。何事にも言えることですが、それを見つける前にやめてしまうのは非常にもったいないです。

ありがとうございました!
スタジオちゅーりっぷ様には、今後も様々な形で代アニと関わっていただくことになると思います…!
皆様(アニメ背景業界に興味を持って記事を読んでくださっている方は特に)、ぜひご注目ください!

本場のカートゥーンアーティスト
も通ってくれています!
世界レベルの技術力のアニメ背景美術科!

High Level Anime Background Course

世界からも注目される代アニ――というのは、以前もアニメーター科のBBCインタビュー等の記事でお伝えしましたね。
今回は背景科に通ってくれています、留学生の方にインタビューしちゃいますよ~!
ご協力いただきますのは、アニメ背景美術科の1年生、フリエタさんです!
インタビューはアニメーター科講師、が担当させていただきます!

―本日はよろしくお願いいたします。フリエタさんはメキシコのご出身と伺いましたが、代アニの背景美術科を知ることになった経緯から教えていただけますか?
フリエタさん(以下表記:F):子供の頃からメキシコでも放送されていた日本のアニメが好きでした。ですが、メキシコにはアニメ関係の仕事がほとんどなかったので、アメリカでカートゥーンアーティストとしてキャラクターデザインなどの仕事をしていました。カートゥーン業界で働いていても、日本のアニメに対する憧れの気持ちは強くなるばかりで…私は日本のアニメの中でもジブリ作品等の繊細で美しい背景が特に好きなこともあり、その技術が日本のどこで学べるのかを調べたところ、代アニのアニメ背景美術科に辿り着きました。そして、まずはオープンキャンパスに参加してみようと。

―すでにアメリカでカートゥーンのお仕事をなさっていたんですね!それはすごい!ジブリなどのアニメ背景美術のレベルの高さは、カートゥーン業界から見ても同じなのですね…。
F:えぇ、カートゥーン業界の背景はデフォルメされていたりとかなり独特の表現となっています。緻密だったり、綺麗だったりといった背景美術のスキルを持った人はあまりいないと思います。

いやぁ、現場にいた方からその情報を聞けて、日本のアニメ業界の技術の高さを改めて再実感しました!…と、私の感想はそれくらいで…。フリエタさんが代アニ入学を決めたきっかけもお聞かせいただけますか?
F:はい。初めてのオープンキャンパス参加で最初は不安でしたが、受付で対応してくださったスタッフの方がたいへん明るく親切で…。その後案内してくださったスタッフの方々も皆本当に優しく、良い学校だなと感じました。そして背景科の体験実習が始まると、まず、背景科の教室に飾られた卒業生の皆さんの作品のレベルの高さに圧倒されました!講師の先生の実習もたいへん分かりやすく、「ここで勉強すれば必ず上手くなれる!」と確信し、入学を決めました。

なるほど!僕も代アニ卒業生なので、第一印象の良さや卒業生の実績(学院で培うことができた実力)をその目で確認する事の大事さ、とてもよく分かります。そして次年度はいよいよ2年生となり就職を目指す年となります。日本のアニメ業界で就職を目指すのですか?
F:はい、そのつもりです。日本のアニメが好きだっただけでなく、関わることも夢でしたから。また、その後もしメキシコやアメリカに戻った場合でも、日本で学んだ背景描画技術を活かしてコンセプトアートなどのいろいろな仕事ができると思っています。

―ありがとうございます!夢に向かって頑張ってください!それにしても、世界レベルで見ても日本のアニメ背景美術の技術力が際立った存在なのですね…すごさは認識していましたが、それ以上でした。まさに「日本が世界に誇れる技術」の1つですね!

~編集後記~

~Afterword~


まずはここまでお読みいただき、ありがとうございます。
アニメーター科講師Yです。
記事内でも話していますが、「アニメ背景美術」というお仕事自体が比較的クローズドというか、他のアニメ制作セクションと比べて情報にアクセスしづらいという事実があります。
今回のこの記事が、アニメ背景美術に興味を持ってくださっている皆さんの1つの入口・きっかけになればと考えています。

また、私自身現役アニメーターでもある手前、背景美術についてある程度の理解はしているつもりでしたが、編集に携わらせていただいて、作品への貢献度の高さや、世界レベルで評価される技術力の高さをより鮮明に認識し、よりアニメ背景美術界への敬意が高まりました。
また、ライブドローイングイベントのレポートですとさっくり数行ですが、長尾様、池田様の技術や非常に濃い解説を直に見せていただき、1人のアニメーター(ひいては絵描きとしても)としても非ッ常に勉強になりました!
4月からこんな方々の授業を受けられるなんて、アニメ背景美術の生徒の皆さんが羨ましい!と感じてしまいます。
いや、冗談でなく僕もアニメ背景美術科の授業、受けたいです…。突然分身できるようになったり、1日の長さが倍になったりしませんかね…?


アニメ音響科講師のNです。
アニメ背景美術科大特集はいかがでしたでしょうか。
背景美術の世界の凄さと奥深さを感じていただけたのではないでしょうか。
スタジオちゅーりっぷ様ご協力ありがとうございました。

私は音響科ということで描画の知識に乏しいのですが、スタジオちゅーりっぷ様に行っていただいた添削会では、各作品に対して「なぜ修正が必要なのか」を、私でも理解できる形でご指摘されていたのが印象的でした。
そんなスタジオちゅーりっぷ様が、来年度からは講師として指導してくださいます。
未経験の方でも「アニメ背景美術の世界」に安心して飛び込んできて欲しいなと思います。

それでは次回の更新を楽しみにお待ちください。

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