【突撃!隣の代アニ授業】よゐこの有野さんに学ぶフリートーク術/VTuber科
2025.07.29

バーチャルの姿で世界に「自分らしさ」を届けるVTuber。代々木アニメーション学院のVTuber科では、キャラクター演技だけでなく、配信に欠かせない「トーク力」を磨く授業が行われています。
代アニでは、お笑い芸人「よゐこ」の有野晋哉さん、放送作家の鹿児島俊光さんがトークの講師として登壇しています!
そんなお2人の授業に突撃してきました!!
6月16日:フリートークの土台づくり
この日は鹿児島さんによる授業で、学生たちがペアでトークに挑戦しました。
ルールは「その場で」「相手の顔を見ずに」「即興で」──まさにVTuberの配信スタイルに近い状況で行われました。
各自が事前に用意したテーマ(犬派か猫派か、好きなお菓子など)から、即興で会話を広げていくのですが、
途中で話が迷子になったり、テーマから脱線してしまったりする場面も。
ですが、これこそがこの授業の目的でした。
今の自分のトークを客観視することで、ブラッシュアップしていけるのです。
鹿児島さんからは
- 人に質問する前に、まず自分のエピソードを話すと会話が広がりやすい
- 恋愛トークネタは身につけておくべき基本スキル
- 話題に対して相手がどう反応するかを考えながら会話を組み立てる
などのアドバイスが送られました。
最後に「この授業を経て、次回は有野さんと一緒にトークしてもらいます」と告げられ、学生たちは気を引き締めていました!


6月30日:プロから学ぶトーク術
この日の講師は鹿児島さんに加え、有野さんが登壇。
学生たちは前回同様にフリートークを披露し、有野さんからその場でフィードバックをいただきました。
話し方・スピード・空気の読み方・立ち位置の取り方など、プロ目線の言葉にみんな感心しきりな様子でした。
トークに「責任」を持つ!
アドバイスで有野さんが何度も伝えていたのは、「テーマを出した人が責任を持って最後まで話し切る」ということ。
「途中で話がズレてもいいけど、“最終的に何が言いたかった?”ってなると、聞いている人がしんどいよ」
「伝えたいことが途中で変わってしまう」「ついオチを探してしまう」といった“話し手あるある”に直面していた学生たちは、有野さんの言葉に大きくうなずいていました。
“仕切り”と“流れの読み方”を体で学ぶ
後半は、有野さん自身が学生グループに加わり、一緒にトークを展開。
有野さんは話が薄まったところを見逃さず、「それ、もう一回言って」「もっと詳しく聞かせて」と再びトピックを掘り下げたり、話し手が迷ったところをすかさずフォローしたりとさすがの立ち回り。プロならではの空気のコントロールに、教室はまるでスタジオのような臨場感に包まれていました。絶えず流れていく展開の中、「自分はどうするべきか」を有野さんの姿勢から学生たちは真剣に学んでいるようでした。



授業を終えて
授業を振り返り、有野さんはこう話しました。
「人前で話すってなるとちゃんと話そうと力が入ります。力が入りすぎると、聞いている方が疲れてしまうので、もう少し抜いてみましょう。手を抜くんじゃなくて、力を抜く。喫茶店や休み時間で友だちと話しているときのトーンで話した方が楽しそうな雰囲気も出ます。その感じが人前で出せるといいですね」
聞く側の意識を持つことが、プロになるためのステップの1つだということです。
学生たちからも、実践を通じて得た気づきが次々に挙がっていました。
・「有野さんが入ると話しやすい雰囲気ができていたのがすごかった」
・「会話のスピード感がすごく大事だと気づいた」
・「自分が言おうとした瞬間に他の人に言われてしまって、テンポって難しいなと思った」
自分の言葉で空気を作ること。誰かの言葉を受け取って、次へつなぐこと。
ただ話すだけでは得られない“会話の呼吸”を、学生たちは確かに体で学び取っていました。
有野さん・鹿児島さんインタビュー
授業後、有野さんと鹿児島さんにインタビューを敢行! VTuber科の授業についていろいろ伺いました✨
鹿児島さん
Q. 学生のトークを見て、どんな成長を感じましたか?
A. 1年生の頃から見てきましたが、明らかに進歩しています。僕は授業を「レギュラー番組を作っている感覚」で臨んでいます。こちらからのオーダーにみんなよく応えてくれていて、これからが本当に楽しみです。
Q. 鹿児島さんが考えるプロとは?
A. 「打率3割を20年続けられる人」。一発の面白さより、コンスタントに現場で求められる成果を出し続けられるかどうか。さらに、“現場対応力”も大事です。相手や状況に合わせて、自分の立ち位置や発言を柔軟に変えていけることがプロには求められます。
Q. 今、学生たちと授業をすることについて、どう感じていますか?
A. 「未完成な存在」と一緒に仕事をするのが、僕は一番好きです。完成された人にはない“予想のつかなさ”や“爆発力”がある。まだ形になっていないからこそ、どこを磨いても光るし、こっちが驚かされることも多いんですよ。
今の学生たちは、真似はすごく上手。でも、その上で“はみ出す勇気”を持てるかどうかがプロとアマの境目だと思っています。だからこそ、今この瞬間に一緒に授業ができていることが、本当に楽しいです。
有野さん


Q. 授業を終えて、学生たちの様子をどう見ましたか?
A. まだ1学期なので緊張している様子はありましたが、中には「有野さんだったらもっと踏み込んでよかったかな」と言ってくれた学生もいたのがすごく良かったですね。ズカズカと踏み込んでくれた人には、踏み込み方を教えられるんですよ。だから“もう一歩できたかも”と思えたことは、今後の成長のサインです。その手前だと、「まず踏み込んでみよう」しか言えないので。あとは休み時間にいっぱい話しかけに来てくれたのも楽しかったです。
Q. 有野さんにとって、“プロ”とはどんな存在ですか?
A. 「その場で何を求められているか」を感じ取って、それに応えられる人。たとえば、1度やったテーマで話さないといけない場合や、前の人が自分と同じ答えだった場合、前に言ったことと違う答えを出してもOK。それが盛り上がるなら、変えていいんです。自分のこだわりとか理屈とかの何やかんやは一旦退けて、盛り上げるコメントを出す。「前回はこう話していたのに!」と言われても気にしない。「これも自分なんです」と言える。それができるのがプロです。
Q. 立ち位置やキャラの“見つけ方”に悩んでいる学生へアドバイスはありますか?
A. キャラの見つけ方で言うと、自分自身にないものをつくってもバレるし、1回うまくいっても3回もやったらしんどくなる。「キャラを作れ」って言われることも多いやろうけど、出演者からしたらバレるんですよ。そんなんやらんでもええのにって、痛々しくなってくる。長く続けていたら、自然とキャラは出来上がってきます。マンガでも1話でキャラが立ってる人っておらんでしょ。
立ち位置で言うと、全員が正しいことを言っている時は、あえて“間違ったほう”に立つのもいい。みんなが一方向を向いていたら、ちょっと逆に行ってみる。誰もいないところに立つと自然と“自分のポジション”ができてくるんですよ。否定されている人の味方に回るのもアリです。
今言ったようなことって、経験を重ねないとできないんです。だからこそ、普段からたくさん人と話すことが大事。友だち同士だけじゃなくて、家族とも話してみてください。たとえば、実家に帰った時に「なんか性格変わったな」「よくしゃべるようになったな」と言われたら、それってすごい進歩だと思う。親戚との食事中、トークを回してみるのも一つの経験。そうやって会話の中で場を作れるようになっていくんです。
プロから学んだことで、学生たちのスキルも大幅にアップしました。
有野さん、鹿児島さん、本当にありがとうございました!
1972年2月25日生まれ。大阪府出身。90年、濱口優とお笑いコンビ「よゐこ」を結成。
バラエティ番組『ゲームセンターCX』(CSフジテレビONE)では「有野課長」の愛称で親しまれている。
他にもMBS-R『オレたちゴチャ・まぜっ!〜集まれヤンヤン〜』などテレビ・ラジオ・雑誌連載など幅広く活躍中。

代々木アニメーション学院では、第一線で活躍する方が講師として授業を展開しています!
オープンキャンパスでは授業体験もできるので、気になる方はぜひお越しください♪