2025年度アニメーション学部卒業制作アニメ スタッフインタビュー【総作画監督、作画監督編】
2026.02.18
代々木アニメーション学院のアニメーション学部は、卒業制作として学生だけでアニメを制作します。
学科の垣根を越えて、学生がチーム一丸となって作品づくりに取り組みます。
今回は、東京校の卒業制作チームに話を聞いてみました!
総作画監督、作画監督編
インタビューに答えてくれた学生
松井有沙さん アニメーター科2年 海という空 総作画監督
市瀬菜々さん アニメーター科2年 海という空 作画監督
亀井珠美礼さん アニメーター科2年 ないしょのケーキ 総作画監督
許田重明さん アニメーター科2年 ないしょのケーキ 作画監督
インタビューした学生
山崎 茉凛 アニメ監督・演出科2年制 『海という空』プロデューサー/制作デスク
自身の役職を通して、この作品で大切にしていたことを教えてください
松井 素材分けはきちんとチェックするようにしていました。完璧ではありませんが、なるべく後の人が困らないように注意していました。
市瀬 とにかくキャラクターを統一させるということを意識していました。作業に入る前に他の作監と話し合い、頭身などキャラ設定の共通の認識を持つようにしました。
松井 演出や監督とは困ったら話し合おうと決めていましたね。
亀井 全体の絵柄の統一感を保つことを意識していました。絵柄にバラつきがあると、見ている人が疲れてしまうので。そのためにキャラクターの表情やバランスを統一して、なおかつ原画の動きを活かした修正ができるように心掛けました。
許田 とにかく原画さんが描いたものの良さを活かすように、かつもっと良くできそうなところは修正していきました。それと、キャラクターの頭身や小物の大きさは設定に絶対に合わせようとずっと考えながらやっていました。
キャラクターのデザインをする上で、大事にしたこと、こだわったことがあれば教えてください。
松井 私は普段かわいい子を描かないので結構大変でした(笑)。なので、世の中のかわいい系のキャラクターをとにかく分析して、どうすればかわいくなるのかを研究しました。
亀井 『ないしょのケーキ』は監督のキャラクター原案がしっかりあったので、そこの擦り合わせにかなり時間をかけました。絵本の手描き感を残したデザインにしたいとおっしゃっていたので、ちょっと遊ばせた線を入れて、監督が求める雰囲気を表現しました。
作監のお2人は絵の修正をする際に、まず一番に見る点はどこでしょうか?
市瀬 パースですね。背景原図(背景の指示書)の段階で、キャラクターはもちろん、物の配置などをちゃんとしておかないと次の人に回せないので、そこが一番初めに手をつけました。
許田 僕は動きの繋がりや細かいところ、例えば服のしわだったりパースだったりをできるだけ綺麗に描写できるように考えていました。1カットを齟齬なくちゃんとつくろうという意識でした。
想定外なことや苦労したことがあれば教えてください
松井 人が描いた絵を修正するという作業は、プレッシャーとストレスが凄かったです。自分が描いた絵に修正が入るというのは、仕事とはいえ思うところがきっとあると思うので、修正指示を書く時はなるべく丁寧な言葉で書いていました。
市瀬 私も修正指示は凄くプレッシャーでしたね。3DCGの背景や素材にキャラクターを合わせる作業があったのですが、原画さんも3DCGデザイナーさんも初めての作業だったのでズレが大きく、修正するのにかなり時間がかかってしまいました。20回以上リテイクを出してしまいました……!
亀井 演出意図を読み取ることに苦労しました。最初は演出の指示や絵コンテから読み取るのですが、修正を重ねていくにつれて、ポーズやちょっとした仕草の違いで演出意図から外れてしまうことが多く、修正の判断が難しくて悩みました。ただ、その都度演出や監督と相談しながら進められたので、作品の説得力も上がったのではないかと思います。
許田 みなさん同様、人の絵の修正のプレッシャーが凄かったです。直すようなところがない絵がくる時もあれば、どこまでも修正をしてしまう時もあり、そこの塩梅がとても難しかったです。
一番好きなカットやシーンはありますか?
松井 序盤のはるきが座っている場所から砂浜に飛び降りるシーンですね。友人がめちゃくちゃ修正していたのを見ていたのですが、凄く綺麗なカットになったと思います。
市瀬 走っているシーンです。初めて作監で入ったのですが、ラフの時点ですでにヌルヌル動いていてうまかったので驚きました。表情の修正指示を出したのですが、戻ってきた原画を見た瞬間に「作監って楽しいかも!」と感じました。
亀井 顔がバチバチにかわいく描けたところは全部気に入っています。中でも、ティリーがケーキの材料をボールに入れてかき混ぜていて、「上手くできた!」と輝く表情がとてもかわいく描けたのでお気に入りです。
許田 ティリーがいろいろな物を落としてしまうシーンで、原画の方がすごく面白い動きを書いてくれたんです。カートゥーン的な動きで、凄くティリーの魅力が出ていて素晴らしかったですね。みなさん尻尾や耳で感情を表現するのがうまくて、すごくかわいく描いてくださっているので、そこが見どころだと思います。
作品の魅力を教えてください
松井 短い作品の中で、繊細な心の変化を表現した作品なので、そういう心の機微を感じてほしいです。あとは背景をとても美しく描いていただいたので、そこも楽しんでいただけたらと思います。
市瀬 はるきちゃんの表情ですね。学生時代の凄く元気な感じと、社会人になって辛そうな表情の対比は、私自身の経験を思い出しながら修正したのでそこを見ていただきたいですね!
亀井 ティリーがギャグ調の顔だったりデフォルメが効いた顔だったりと、コロコロ絵柄が変化する様子を楽しめる作品です!
許田 キャラクターデザインが獣人が登場人物なので、もふもふの耳や尻尾が好きな方は必見の作品だと思います!!
ありがとうございました!

