【アニメ3DCG科】特別授業レポート 株式会社サブリメイションからCGアニメの最先端を学ぶ

2025.04.04

2025年2月14日、代々木アニメーション学院にて、3DCGアニメーション制作会社株式会社サブリメイションによる特別授業が開催されました。登壇していただいたのは、取締役の黒﨑豪氏CGディレクターの渡邉啓太氏。第一線で活躍するお2人から、業界におけるCG技術の重要性や制作現場のリアルな話が語られ、学生たちは熱心に耳を傾けていました。

サブリメイションとは?
2011年設立。Prodction I.GのCGチームらによって発足した3DCGアニメーションスタジオ。主にTV・映画シリーズの作品制作を手掛け、名古屋、仙台に支社を持つ。代表作にNetflixシリーズ『鬼武者』、オリジナル アニメ『シキザクラ』、制作協力として TVアニメ『WIND BREAKER』、『ラブライ ブ!』シリーズなど。

何よりも下調べ! CGレイアウト

CGレイアウトとは、カット内のどこに何があるかをCGを使って配置することで、作画や背景のアタリ(仮の素材)として使われます。手で描くよりもパースが狂わず、画角の変更も容易なので、最近の作品ではよく導入されています。複数のキャラクターが登場する場合、身長差を比較しやすくなりますし、部屋の寸法を正確に作ることで、バランス崩壊を防ぐことができます。

渡邉さんは「レイアウトを担当すると、まず下調べを徹底的に行います」と話しました。和室なら畳の目の流れや大きさ(東西で違う)、襖の大きさなど、建築の本などを読み込んで作り上げるそうです。これは特別なことではなく、レイアウトを担当する人にとっては当たり前のことだそうです。

影との戦い! モデリング

キャラクターや背景をCGで制作するのがモデリング。いわゆるCGと聞いて思い浮かべる内容ですね。

モデリングで重要なのは、設定をどれだけ忠実に再現できるか。線が1本ズレただけで違和感が出るので、こだわり過ぎるに越したことはない作業です。大切なことは、自分のセンスを発揮するのではなく、忠実な再現を心がけることだと黒﨑さんは言います。

リアリティのある造形を追求するためには、そこに存在する物体を正確に把握しなければなりません。それをおろそかにしたまま適当に作業してしまうと、後々の修正が多くなり自作業が増えるだけでなく周囲にも迷惑をかけてしまいます。「そのキャラはどんな顔や身体なのか」「その部屋には何があるのか」を 設定担当者との打ち合わせでしっかりと確認しなければなりません。ということは、コミュニケーション力が大切になってきます。

また、キャラクターモデリングは「影との戦いだ」と黒﨑さんは言います。リアルな3DCGではなく、アニメらしい影を作るためには作画的な工夫が必要ということですが、代アニならではの解決策を教えてくれました。それはアニメーターの講師に「影ってどうやって落としているんですか?」と聞くこと。「アニメーターに直接聞けるのはすごくアドバンテージです」とアドバイスをしてくれました。

縁の下の力持ち! リギング

「リガーは食いっぱぐれない」とまで言われるリギング。これを担当するリガーは特殊職なので、どんなスタジオでも重宝されるということです。「業界で働きたいならおすすめ」と黒﨑さん渡邉さんが口を揃えておっしゃいました。リギングはCGに骨組みを設定して動く仕組みを作る作業で、モデリングとアニメーションをつなぐ大切なプロセスです。この作業も、丁寧な観察や事前の勉強が必要です。渡邉さんは自身の経験を例として挙げて、「手の動きにこだわり、どうやったら違和感がなくなるかと考え続けていました。試行錯誤した結果、今まで使用してきた関節位置より少しずらすことでリアルな動きに近づけることができました。そういう作業が楽しいですね」と話しました。

CGアニメの花形! アニメーター

「CGアニメーターは花形だと思っています」と黒﨑さんは話しました。なぜなら、モデラーやリガーがどんなにいいものを作っても、アニメーターが上手くないといいものにならないからです。アニメーターの面白い点は、カメラマンであり演出家であり役者でもある点だと黒﨑さんは言います。全部自分でチャレンジできる点が魅力であると同時に、責任も大きいのでやり甲斐があります。

そのほかにも実際の素材を使って制作工程をいろいろ教えていただき、最後は就職活動についてアドバイスをいただきました。

特にポートフォリオの考え方は、アニメ3DCG科以外の学科にも共通する内容でした。一部を紹介します!

毎年たくさんの学生から応募が来る中で、選考官の印象に残る作品を制作しなければならない。

→ポートフォリオなら最初に持ってくる1作品目、デモリールも1本目 の作品で興味を惹かなかればならない。。

ポートフォリオは「頑張りを伝える」ものではなく、自分が「何を作りたいか・何ができるか」を提示するもの。

→学校の課題より、自分で自発的に取り組んで作成したもの(自分が好きで納得できるまで作ったもの)を載せた方がいい。

ちょうどポートフォリオを作成している学生たちは自分たちの作品を思い返しながら聞き入っている様子でした。

参加した学生からは

「CGの細かい調整が作品のクオリティを左右することがよく分かった」

「実際の業界の話が聞けて、就職活動の参考になった」

との声が寄せられました!

黒﨑さん、渡邉さん、本当にありがとうございました!

 

代アニは業界の第一線で活躍するクリエイターによる特別授業を多数実施しています!!

この特別授業をはじめ、代アニだからできる最先端のカリキュラムが、皆さんにクリエイターへの道を拓きます。

アニメ3DCGに興味がある! エンタメ業界で働きたい!!
という方、ぜひ代アニで学んでみませんか?

オープンキャンパスも開催しているので、ぜひお気軽にお越しください!

LINEで相談 TOP