イラストレーター【萩森じあ】さんに教わる「透明感のあるイラスト」の描き方

2025.04.23

3月20日、代々木アニメーション学院東京校のオープンキャンパスに、人気イラストレーター・萩森じあさんがゲストとして登壇しました。業界の貴重な話に加え、ライブドローイングで「透明感のあるイラストの描き方」について教えていただきました。現役で活躍するクリエイターのテクニックを間近で見られるとあって、イラストレーターやマンガ家など、将来絵を仕事にしたい方が参加し、萩森さんのお話に耳を傾けていました!

このレポートではその一部を紹介します!!

イラストレーターになったきっかけ

幼い頃から絵が好きで描いていた萩森さんですが、身近な人にイラストを提供したことがイラストレーターを目指すきっかけとなったそうです。

「車に貼るシールの絵を描く仕事だったと思います。プレッシャーはありましたが、とても喜んでもらえて嬉しかったですね」と振り返り、「その対価をもらったときに、これは仕事になるのかもしれない」と実感したということです。

また、SNSの活用についても触れて「まずは身近な人に向けて絵を発信し、自分の価値を伝えてみてください」とアドバイス。「そういった小さいところから始めることが、プロへの第一歩になるんじゃないでしょうか」と話しました。

第1部 「透明感のあるイラスト」ライブドローイングスタート!

今回のイベントは、第1部はトーク&ライブドローイング、第2部はイラスト・マンガ業界をめざす参加者向け自作イラスト添削会の2本立てでお届けしました。

参加者の期待の眼差しが集まる中、早速ライブドローイングがスタート!

透明感を生むツール

今回のテーマは「透明感のあるイラスト」ということで、司会の中泉先生(イラスト科講師)が透明感を生み出すためのテクニックについて聞くと萩森さんは「これは結構重宝しています」と、「透明感マーカー」を紹介してくれました。

筆圧で濃淡が変わる、筆のようなペンツールです。私は大体これとペンで描いていますね。CLIP STUDIOには無料のツールがたくさんあって、その中の一つなのでぜひ使ってみてください!」

萩森さんはこのマーカーで色の濃淡をつけていくそうで、実際に色を入れていく様子がスクリーンに映し出されると参加者のみなさんは見入っていました。

描きながら「思いついたんでやっちゃいます」と、水滴を入れていく萩森さん。この「水を利用する」ということが透明感の演出に関わってくると中泉先生が説明します。例えば髪の毛を濡らしてみたりすると、色のついた絵の中で水という色がない部分を入れることで、逆にその透明さが際立ちます。萩森さんは頷きながら「透明の表現って難しくて、私もいつも試行錯誤しながら描いています」とプロでも悩みながら描いていることも教えてくれました。

萩森さんはその苦労すらも楽しみながら描いている様子で、そういった姿勢もプロには必要なのだと見ていて感じました。

色使いのコツ

話しながら萩森さんはスラスラと線画を描いていき、あっという間に塗りに取り掛かります。最初から黒、青、水色、黄色と数色を置いて塗っていく点に中泉先生は注目。

「結構いろいろ使っていますが、色選びのコツは何ですか?」と尋ねると、「試行錯誤を恐れないことですね。こんな色面白いんじゃないか、というのを少し入れてみて、なんか違ったら別の色にしてみたり、濃淡を変えたり試します。まずやってみることが大事です!」と萩森さんは言います。

「ルールなんかないので、自由に描いてみればいいんです。それが楽しいんですよ」

その上で、「見る人が驚いたり、楽しんだりすることを想像しながら、自分が楽しんで描くことが一番ですね」と笑顔で話しました。

また、イラストレーターとして活動する上での心得として、「何でも屋さんより、何かの専門家」と教えていただきました。いろいろなものが描けるに越したことはないけれど、自分の得意分野を伸ばして、それを周囲に知ってもらうことで仕事の依頼に繋がると、自身の経験を踏まえて話していただきました。実際に仕事をしているイラストレーターの意見を、参加者のみなさんは真剣な面持ちで聞いていました。

いろいろお話いただいているうちに、イラストが完成! まさに「ザ・透明感!」といった可愛い女の子が描きあがりました!!

萩森さんの筆のスピードがめちゃくちゃ速かったので、急きょ2枚目も描いていただくことに!

1枚目は横顔だったので、2枚目は正面からのアングル!!

萩森さんは、同じくとんでもないスピードで描き上げ、こちらも素敵なイラストが生まれました!

プロのスピードとクオリティの高さに、会場の全員が驚きを隠せない様子でした。

※製作中の写真は2枚目のイラストのものです

第2部 スペシャル添削会

第2部は、参加者の方が描いたイラストを、萩森さんに添削していただきました。

「ここが気になる」

「ここを上手く描きたい」

という悩みに対して、プロの視点からいろいろとアドバイスをしていただきました!

萩森さんのお話を真剣に聞き入る参加者のみなさんの姿が印象的でした。

色紙争奪じゃんけん大会!

第2部の最後は、萩森さん直筆イラスト入りサイン色紙を懸けたじゃんけん大会を開催!

萩森さんのイラスト入りとあって、熱気あふれる戦いとなりました!!

勝ち抜いた参加者2名は、笑顔で色紙を受け取っていました。おめでとうございます!

プロのイラストレーターのお仕事や絵を描くコツなど、萩森さんにはさまざまなお話をしていただきました。

もちろんどれも貴重で素晴らしい内容でしたが、全体を通して印象的だったのは萩森さんは終始楽しんで絵を描いていたことです。

苦労すらも楽しんで描くその姿に、プロの魂を垣間見た気がします。

将来、絵を仕事にしたいと思う参加者のみなさんも、すごくいい刺激を受けたのではないでしょうか?

萩森さん、本当にありがとうございました!

代々木アニメーション学院では、これからも第一線で活躍する方をお招きして、業界のお話を聞ける機会を提供していきます。
アニメ・エンタメ業界を目指したい!という方はぜひオープンキャンパスへお越しください。

■萩森じあさんプロフィール
青を中心とした繊細なタッチが得意なイラストレーター。装画、MV制作、ポスターイラストなどを多く手掛けている。

<代表作>
ピクシブ株式会社「Pastela」キービジュアル
進研ゼミ中学講座『My style』『いち高合格BOOK』表紙、巻頭イラスト
プロジェクトセカイ Vivid BAD SQUAD X 鏡音レン『Flyer!』MVイラスト
スターツ出版文庫『さよなら、灰色の世界』/丸井とまと 装画

LINEで相談 TOP