代アニと提携も! 株式会社Felix Filmがオープンキャンパスで3DCGの魅力を紹介!
2025.12.01
2025年10月25日、代々木アニメーション学院東京校で開催されたオープンキャンパスでは、3DCGアニメ制作会社・株式会社Felix Film様をゲストに迎えてトークイベントを実施しました。
Felix Film様は『MFゴースト』『阿波連さんははかれない』『Re:ゼロから始める異世界生活』など数多くの人気作を手がけており、プロの話を聞こうと多くの方が足を運んでくれました。
Felix Film様と代々木アニメーション学院は、2025年9月に業務提携しています。需要が高まっている3DCGアニメーターの育成のため、カリキュラム監修や特別講義などで協力していきます!
Felix Film様のスタッフによるゼミ形式の授業も2026年度から予定しております。楽しみですね!
今回のイベントは2部制で、第1部がトークイベント、第2部は実際に3DCGアニメをつくってみる体験実習でした。
その一部をレポートします!
第1部:アニメ3DCGとは? プロが解説するトークイベント
Felix Film様は、セル画による手描きアニメーションと3DCGを融合させたハイブリッドな作画を得意としており、『MFゴースト』の車や『Re:ゼロから始める異世界生活』の背景の描写などが高い評価を受けています。
ご自身も長年制作に携わっていた経験から、田中さんがアニメにおけるCG表現が大きく向上してきた歴史をわかりやすく解説してくれました。
「セル画」という、透明なシートに絵の具で絵を描いていたアニメ制作は1980年代にピークを迎え、徐々にデジタルへ移行していきます。デジタル作画が始まったことで、CGが使われるようになりました。当初は車やロボットなどがメインでしたが、次第にキャラクターもCGで描かれるようになります。そして技術の進化により、今ではセルアニメ調のCGキャラクターが動いたり踊ったりすることも可能になりました。
3DCGのつくり方
続いて、奥田さんと鈴木さんに実際のCGの制作工程を説明していただきました。CG制作は「モデリング」「リギング」「アニメーション」「コンポジット」の4工程に分かれています。
モデリング
奥田さんは「キャラクターや背景など、CG空間でオブジェクト(立体物)を生成する工程です」とモデリングについて説明。単純な直方体や球から、ポリゴンや頂点を操作して複雑な形を作り上げていく様子を実例で示していただきました。
リギング
モデリングでつくったCGを動かすための仕込みです。つくっただけのCGはただの物体ですが、その中にボーン(骨)を設定することで、動かせるようになります。例えば指にボーンをつくり、ボーンが動いた時にCGのどの部分が一緒に動くのか、という設定をすることで次のアニメーション工程でCGを動かすことができます。
アニメーション
「アニメーションとはオブジェクトに命を与える作業です」と話す鈴木さん。アニメーションの付け方はモーションキャプチャーと手付けの2種類があり、前者は役者の動きを撮影し、模倣させます。後者はその動きを一つひとつ手作業で設定していく作業ということで、Felix Film様が得意なのは手付けの方ということです。「リアルな演技とはまた違って、アニメとしての誇張した演出ができることが特徴です」と鈴木さんは話しました。
コンポジット
作成した各種素材を合成する工程です。キャラクター、背景、効果などを重ねて1つの映像にする作業で、「いわばオブジェクトのメイクアップです」と鈴木さんはたとえました。そして実際にコンポジット前後の画像を見せて違いを比較しながら、画面演出の重要性を解説していただきました。
教えて!アニメ3DCG
会場の参加者からの3DCGに関する質問にも、その場で答えていただきました!
その一部を紹介します!
Q.CG制作で得意な分野はありますか?
『頭文字D』をずっとやっていたので、やはり車ですね!(田中さん)
歩きのアニメーションは人に負けないなという自信はあります。(鈴木さん)
キャラクターやモンスターのモデリングが得意ですが、中でもかわいいモンスターだと気合いが入ります!(奥田さん)
Q.仕事のやりがいは何ですか?
好きなことをずっと続けられることです。しかもこの業界は学歴関係なく、実力で上をめざせるので、そこもやりがいだと感じます。(田中さん)
こだわりがクオリティに繋がり、「かっこよかった」「可愛かった」という見た人の感想を見た時に感動します!(鈴木さん)
自分がつくったモデルが、アニメ作品の中で動いているところを見るとアニメに携わっている実感がありますね。(奥田さん)
業界をめざす人へメッセージ
第1部の最後に、Felix Filmのみなさんから、このイベントに参加してくれたみなさんへ激励のメッセージをいただきました。
今回、代々木アニメーション学院さんと業務提携したことで、アニメ業界に興味がある方をサポートできるようにしっかりと協力していきます。安くない学費に見合う内容にしていきたいと思いますので、ぜひとも一緒に頑張りましょう!(田中さん)
僕は、センスを持つことより努力できる人がクリエイターに向いていると思っています。壁にぶつかった時に、自分で考えて誰かの意見も聞いて手を動かし続けられる人に、プロになってほしいですね。(鈴木さん)
クリエイターは続けることで実を結ぶ仕事です。専門校で学ぶ期間は2年から3年で、長いようで短い時間をどうやって過ごすかが大事なのかなと思います。今日の話で、CGの楽しさを感じてもらえたら嬉しいです。(奥田さん)
第2部:3DCG特別授業
第2部は特別授業として、Felix Film様に3DCGのつくり方を教えていただきました!
参加者のみなさん初めての体験でしたが、奥田さんが3DCG制作ソフト「3ds MAX」の使い方をイチから丁寧に説明してくれたので、スムーズに制作できていました。
ただの球が、第1部で説明があったポリゴンを加えていく内に可愛らしいモンスターへと変わっていく過程はとても面白かったです。
モンスターを作ったら、次は鈴木さんによるアニメーションのつけ方講座です。
今回はオブジェクトを動かすのではなく、カメラ(視点)を動かすアニメーションを教えていただきました。
3DCGではカメラを置く位置や動かし方を自由に決められるので、それだけで動きのある映像ができました!
1時間程度でしたが、ゼロから3DCGをつくる体験ができて、みなさん喜んでいました。
お疲れ様でした!
イベントを終えて
改めて今回のオープンキャンパスについて感想をうかがいました!
自分は卒業生ということもあって、恩返しの感覚があります。代アニで学んで得たことが、今も活かされててるということが伝えていきたいですね。このような機会をいただき、感無量です。(田中さん)
3DCGはこういう機会がないとあまり触れないと思うので、今回のオープンキャンパスが初めの一歩になれば嬉しいです!(奥田さん)
アニメ業界は外から中がわからないところも多いですが、今日で少しわかってもらえたら嬉しいです。そして将来の選択肢の1つになってくれればもっと嬉しいです!(鈴木さん)
Felix Filmのみなさん、本当にありがとうございました!
株式会社Felix Film
2D作画と3DCGを融合させたハイブリッド表現を得意とするアニメ制作会社。
代表作
『Re:ゼロから始める異世界生活(第三期)』
『MFゴースト』
『阿波連さんは測れない』
他多数
第2回開催!
Felix Film様をお迎えするオープンキャンパスイベント第2回を12月14日(日)に開始します!
3DDCGの制作体験もありますので、興味がある方はぜひご参加ください!

