アニメーター【浅野恭司】さんが語るアニメ業界!!イラスト添削会も開催!

2025.07.17

2025年6月14日(土)、代々木アニメーション学院 東京校にて、代アニ卒業生でありアニメーター・キャラクターデザイナーの浅野恭司さんを迎えた特別イベントを開催しました。

浅野さんは、代アニ卒業後アニメーターとして活躍し、2012年に株式会社WIT STUDIOに創業メンバーとして参加。
『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』で作画監督、テレビアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』『進撃の巨人』『THE ONE PIECE』ではキャラクターデザインを務めるなど、第一線で活躍されています。

イベントは2部構成で実施され、第1部は代アニへの入学を検討している方に向けたトークショー&ライブドローイングを実施。
第2部では、アニメーター志望者を対象とした体験授業でイラスト添削会が行われました!

今回、全国の校舎とも中継をつないだので、多くの方が各校舎に足を運んでくれました。

第1部 ライブドローイング! 好きなものを真似ることから始めよう

浅野さんは高校卒業後、アニメ雑誌の広告で代アニを知り入学。
当時は美術部にも入らず、完全な“独学派”だったものの、代アニの授業で本格的に絵を描く力を磨いたと語りました。
浅野さんはさらに、「アニメーターの仕事は“動かしたい”という気持ちが原点になる」と、アニメ制作に必要な心構えを参加者に向けて熱く伝えてくれました。

そしてライブドローイングではあの人気キャラクター(どんなキャラクターだったかは来た人だけの秘密です!)を描きながら、参加者から募った質問にも丁寧に答えていただきました。

学生時代に画力向上のために意識していたことはなんですか︖
好きなキャラクターをひたすら模写していました。

なんでも真似ることからはじまります。
特に、好きなキャラクターや作品でやると吸収が早くなると思います。

浅野さんにとって信頼できるアニメーターはどんな人ですか︖
仕事に対して誠実に答えてくれる人です。
それは作品に取り組む姿勢で伝わります。
また、制作には多くの人が関わるため、相手を思いやる気持ちも大事してほしいです。

浅野さんがキャラクターデザイナーをやりはじめた時に、ぶつかった壁はありますか?
また、それをどう乗り越えられましたか︖
最初の頃はコンペ(デザイン案などを出して他社と競う会議)で落ちるとやはりショックは受けましたね。
ただ諦めずに繰り返しているとコツをつかんできました。
落ちても失敗で終わりではないとわかりました。
その経験が、自身の糧にもなるし、情報にもなります。

仕事の中で「楽しい︕ 」と思うことを教えてください。
原画で携わった作品が実際に映像として動いているところを見ると、とても嬉しいです。
また、キャラクターデザインをやったときは、「自分がデザインしたキャラクターが他の人が動かしてくれる! 」という喜びもありました。
結局、絵が描けているだけで楽しいですね(笑)
ただ、楽しいと思えず、難しいと感じる時もあります。
そういう時は、上手だと感じる人の画集を見たりして参考にしています。
「世の中にはもっとすごい人がいっぱいいる! 」とわかり、その人や作品を調べたりして楽しんでいます。

第2部 アニメーター志望者向けイラスト添削会

第2部では、アニメーターを志望する参加者に向けた「イラスト添削会」を開催!

冒頭では浅野さんに、技術的な内容を含む質疑応答にわかりやすく答えていただきました。
また、株式会社WIT STUDIO 採用担当の福﨑さんが同席し、アニメ制作会社へ就職するためのポイントなどについて説明していただきました。

そして添削会がスタート!
参加者のみなさんに『少年漫画の主人公』をテーマにキャラクターを描いてもらい、その作品を浅野さんがその場で添削!

カードゲームにいそうな熱血系の主人公をイメージしたイラストには、
「カードゲームという発想がまず私にはなかったです! 面白いですね。
しいて言うのであれば、せっかく見下ろしている構図のため、地面のパースを考えなおして、角度を極端にしても良いかもしれません」
と、驚きながらもポイントを押さえてコメントいただきました。

学園モノの不良系主人公をイメージしたイラストには、
「キャラクター性がしっかり出ていますね。せっかくなので動きを大きくしましょう。
視点との距離感を考えて強弱をつけると、ポージングで動きを出せます」
と説明し、ペンをいれてくれました。

作品を描いた在学生との会話中、「表情の決め方が難しくて、特に自信がある表情が苦手です」といった相談にも答えてもらいました。
「私のやり方ですが、たとえば眉毛を極端に左右に動かしてみます。
そして何か違うなって思ったら調整していくといったイメージです。
一度大胆に表情をつけて、少しずつ戻していく作業をしています」

浅野さんの言葉に大きなヒントを得たようで、在学生は満足した様子でした。

業界をめざす人へメッセージ

最後に、業界をめざす人へメッセージをいただきました。

福﨑さん
「自分が後悔しない選択をしてください。
これから先、就活までにさまざまなチャンスがあるかもしれません。
そこで“失敗するのは嫌だな”と思って諦めるのではなくて、“とりあえずやってみよう”の気持ちで動いてみてください。
それで失敗したと思っても、それはただの失敗ではなく自身の経験となります。

その経験が多ければ多いほど、選択肢が増えていくと思います。
頑張ってください! 」

浅野さん
「自分でこの道を決めたとしたら、自分のやりたい夢を持っているということだと思います。
私も“アニメが好き”という思いからはじまりました。
それが、今後の自分の頑張れる“根本”となります。

なので、今日をきっかけに自分がこの道を選んだ理由を考えてみてください。
そしてその思いはずっと忘れずに覚えておいてください。
また業界でお会いしましょう

アニメーターを目指す人にとって、今後の糧となる貴重な体験になったのではないでしょうか。
浅野さん、福﨑さん、本当にありがとうございました!

代々木アニメーション学院は、第一線で活躍する方をお招きして業界のお話を聞ける機会を提供していきます。
アニメ・エンタメ業界を目指したい!という方はぜひオープンキャンパスへお越しください。

≪浅野恭司さん プロフィール≫

株式会社WIT STUDIO取締役
代々木アニメーション学院卒業後、アニメーターとして活躍し、2012年に株式会社WIT STUDIOに創業メンバーとして参加。

【代表作】
キャラクターデザイン
『PSYCHO-PASS サイコパス』
『進撃の巨人』
『THE ONE PIECE』
作画監督
『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』  他多数

LINEで相談 TOP