誰しも知っている有名作品のチーフプロデューサーのお話とのことで学生の期待も高まっている中、代々木アニメーション学院の全国8校をつないでのネット中継特別講義がにぎやかに始まった。
フジテレビ・事業部のプロデューサーから副社長の秘書に異動、元々はバラエティ希望だったので上司にお願いして編成部に異動したという、特殊な経歴の松崎さん。
番組のタイムテーブルを決めている編成部・企画班の中で「サザエさん」が大好きということから、アニメ制作に関わっていったとのこと。
局アニメのプロデューサーは「原作とどう連動するのか?」「どこで映画化するのか?」「どうイベントを行うのか?」
など、アニメに大きく関わることを全体的に考えていく。
「お台場冒険王」という夏のイベント企画では「ゴーイングメリー号を作る」などにも関わった松崎さん。
誰しも「船」など作ったことのないスタッフが、様々な場所に相談して船を作り上げたというのは凄い話だ。
多額の予算を投じ、原作もアニメもそれに関わるもの全てを全力で盛り上げていく…
それが局のプロデューサーなのだ。
松崎さんは人気長寿アニメ「ちびまる子ちゃん」の人気を支えるためにちびまる子ちゃんの実写ドラマ企画を立ち上げた。
その結果、視聴率が上がるだけでなく、タイアップも多くなった。スポットのCMも殺到。
番組を継続させる、そして『改革を起こす』のを常に考えている、という松崎さんの話に、学生たちは長寿番組の秘訣を学ぶ。
松崎さんはフジテレビのイベント企画「夏の夢大陸」で、ゲームで有名な「
モンスターハンター」の、新作アニメの発表を控えているとのこと。
アニメの制作期間は一年ちょっとしかなく、作家も監督も決まってない状況。
3DCGにも挑戦するという、そんな大変な中での作業が続いているとのことで、「ゲームから3Dモデルデータをもらってアニメ化してやろうとすすめていたけどゲーム用3Dモデルだとテレビアニメでは対応できなくて、結局すべて作り直しになった。」
という業界裏話に学生から驚きの声が上がっていた。
大阪校の声優タレントコース学生から「松崎さんの声優を選ぶポイントは何か」という、声優志望ならではの質問がでた。
「私見ですが、アニメ作品の方向性によって声優は違う。私はその人しか出せない声の人を選びます。
子供にでも目をつむって違いの分かる声でなければならないと思っています。
また、子供が違和感を感じてはだめ。アニメは声優が声を吹き込んで初めて命が生まれる。
違和感のないチョイスが大切です。」