卒業生が語る代アニの魅力① どこにいても才能を輝かせることはできる 声優 下屋則子さん 卒業生が語る代アニの魅力① どこにいても才能を輝かせることはできる 声優 下屋則子さん

──下屋さんが声優というお仕事をめざしたきっかけをお教えください。

下屋 実は「これ」というきっかけがないんです。学生のころから「将来は役者になりたいな」と夢見ていたんですが、それが舞台なのかドラマなのかはよくわかっていなくて。当時、家で少女マンガのセリフを声に出して読んでいたので、そこから声の役者、声優という仕事に興味をもちはじめたんだろうなと思っています。小学校卒業のころには「将来の夢は声優」と決めていましたね。そのころは、アニメのセリフを全部ノートに書き出して、録画したアニメを消音して、声を当ててアフレコごっこをしていました。当時、将来の自分に向けたメッセージをテープに録音していて、そこに「声優の道は大変だと思うけど絶対にあきらめないでね」ということばも残しているんです(笑)。

──代アニ在学中に印象に残っていることはどんなことですか?

下屋 私は当時、葛西にあったひがし校に通っていたのですが、東京校からダンスを教えに来た先生が、私のことを覚えてくださったそうで、アルシオンという女子プロレス団体のマスコットガールを代アニから4人送りだすという話があったときに、私を推薦してくださったんです。ある日、いきなり「東京校に来てくれる?」と言われて、そのお話をいただきました。それでその夏から次の年の5月くらいまで、アルシオンの試合の合間にダンスで会場を盛り上げるお仕事をするようになったんです。

──ダンスの経験はおもちだったんですか?

下屋 いえ、全然ありませんでした。でも、そうやって東京校の先生に顔と名前を覚えていただいたおかげで、そのあとアニメのオーディションのお話もいただくことになりました。それが「エイリアン9」という作品で。ヒロインが3人がいて、遠峰かすみ役に選んでいただいたんです。それまでオーディションを受けたこともなかったですし、プロの収録スタジオに立ったこともなかったので、いろいろな失敗をしながら現場のやり方を学んでいきました。

──初のアフレコはどうでしたか?

下屋 難しくて、悩みながら演じていましたね。遠峰かすみというキャラクターと、私は違うわけで。毎回、葛藤していました。そのときの音響監督は、岩浪(美和)さんだったんですが、岩浪さんは「あまりつくり込まないで、ありのままに自然体でやっていいよ」とおっしゃってくださって。悩みながらも、自分で考えてお芝居をしていたのも印象に残っています。しかも、その「エイリアン9」の音響会社の方が今の事務所の81プロデュースに紹介してくださって、あれよあれよという間に事務所に所属することになりました。本当にラッキーでしたね。

──実際にプロとして活動してみて、学生のころに学んだことで役に立ったことはありますか?

下屋 基礎は大事だなと思います。活舌、発声、体力づくりはいまだに欠かせないですから。マイク前で芝居をするだけでも汗だくになるくらい体力を使いますし、ナレーションのお仕事だと鼻濁音をしっかりと発音していないといけませんから。まだまっさらない学生時代に基礎を学んでおくといいと思います。

──下屋さんはいろいろなキャラクターを演じていらっしゃいますが、「Fate/stay night」シリーズの間桐桜役のように、何年も演じているキャラクターもいます。ひとりのキャラクターを長く演じるうえで意識していることはどんなことですか。

下屋 収録の時は毎回、長く続くと想定していないので、一回一回一生懸命収録していて、気づけば長く続いている感じです。演じるたびに「こんな一面があるんだ」という驚きがあって。その子の人生をたどっていくことができる喜びが大きいです。

──これから声優をめざす方々に贈ることばをお聞かせください。

下屋 学生のとき、代アニの先生に「出てくる人は、どこにいても見つけられる」と言われたことがあるんです。私も東京校に通っていたわけではなかったですし、東京に出ないと通用しないんじゃないかと悩んでいる方もいるだろうし、いろいろな事情で東京に出られない方もいるんじゃないかと思います。でも、東京にいなくても、何がきっかけでデビューできるかわからない。代アニのいいところは、学生時代からチャンスがたくさんあるところ。ぜひ、チャンスを逃さずに頑張ってほしいと思っています。